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2023.12.22

コラム

賃料の値上げは拒否できるのか?確認するべきポイントを具体的に解説

物価が値上げする昨今、賃料についても値上げをしないと税金支払いや建物維持を保持するのが厳しいというオーナーもいるのではないでしょうか。そこで、賃料の値上げを交渉された場合に借主は従わないといけないのかを考えてみたいと思います。

 

例えばこのような事案があったとします。7か月後に賃貸借契約が期間満了となるので更新のお知らせが借主のもとに届きました。お知らせには更新希望の有無および更新する場合は「更新後の月額賃料が現行の8%値上げをする」と記載されていました。借主は値上げを拒否したいと思いましたが更新できないと退去になってしまうのではないか、と心配している場合。

 

更新できるかどうかは「正当な事由があるかないか」がポイントとなります。

貸主は「正当な事由」がない限り、更新を拒絶することができません(借地借家法28条)。貸主・借主間で合意更新できない場合、本契約は法律上更新したものとみなされます(同法26条)。

従って、契約は借主が賃上げに応じないとしても合意更新できないときは法定更新により更新されるので、借主に建物の明け渡しを求めることはできません。

 

貸主は賃料の値上げを求めるのであれば、物件の所在地を管轄する簡易裁判所に調停の申立をおこなうことが必要です。調停が不調となった場合は、裁判所が裁判により賃料を確定する判決を出します。借主は賃料が確定するまでは現行賃料を支払えば足ります(同法32条)。また、貸主が賃料を受け取らない場合は供託することができます。

 

貸主が賃料を値上げするための条件として、借地借家法32条1項があります。

・土地建物に対する税金などの負担が増えた場合

・経済事情の変動(土地建物の価格上昇など)

・近隣の同じような物件の賃料より低すぎる場合

以上のような条件があります。ただ、上記は例示にすぎません。賃料を値上げするには何らかの正当な理由が必要、とするのが同条の趣旨です。賃貸物件をリフォームする場合や雨漏りの修繕費用などが必要になった場合にやむを得ない事情があれば、正当な理由として認められることがあります。

 

また、賃料の値上げが法律上有効であるためには正当な理由以外に

・相場より高すぎないこと

・当事者の合意があること

という2つの条件が必要です。

 

貸主がいくら合法的に手続きを進めても借主が拒否した場合は調停や訴訟といった法的手続きを使うことになります。結論として借主は貸主に従わなくてもよいですがその場合には調停や訴訟といった法的手続きに進む場合があります。

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