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2023.06.29

不動産の購入

不動産の告知事項とは?4種類の瑕疵の型と概要を解説!

告知事項

土地や建物の物件情報を探している時に、「告知事項あり」という表記を見たことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。

そして、その物件は、同じ地域の同じ規模の物件と比べて、値段が安くはなかったでしょうか。これは、「不動産の告知事項」というもので、物件の状態によって、必ず明記しなければならないものです。

今回は、この不動産の告知事項について解説していきます。不動産の告知事項の概要と、4種類の瑕疵の型について詳しく解説していきますので、物件探しの際の参考にしてみてください。

不動産の告知事項とは?

告知事項とは

「不動産の告知事項」とは、不動産の売主(貸主)が、買主(借主)へ事前に伝えるべき、物件の注意事項のことを言います。

例えば、「状態がとてもキレイで価格も近隣の同レベルの物件より安い中古住宅を購入したところ、住んでみたら雨漏りがひどかった。売主から事前に説明が何もなく、知っていたら買わなかった。」という事例が挙げられます。

もし売主が事前に雨漏りの問題を告知していれば、買主はその情報を踏まえて物件を検討したでしょう。予防措置や修繕の必要性を踏まえて購入するとか、違う物件を検討するとか、告知事項の内容を知っていれば事前に物件購入の判断ができたはずです。

買主からすれば、だまされて不利な契約条件に同意してしまったと感じてしまいます。このような思わぬ不利益から買主を守るためにも、売主には、物件の問題点について必ず告知しなければならない義務があるのです。

告知事項の4種類の瑕疵の型

告知事項の型

不動産取引では、「瑕疵(かし)」という概念が民法上重要な位置を占めています。瑕疵とは、物件に存在する欠陥や問題のことを言い、売買契約において買主の権利を保護するために、売主が必ず告知事項として買主に説明しなければなりません。

不動産の告知事項で買主に説明するべき瑕疵には、下記の4つの型があります。

・心理的瑕疵
・環境的瑕疵
・物理的瑕疵
・法的瑕疵

それぞれの瑕疵の型について順番に解説していきます。

心理的瑕疵

心理的瑕疵とは、買主にとって心理的抵抗となりうる問題点のことです。物件そのものの物理的な欠陥はまったく無いものの、人によっては絶対に買わないといった、「買主の性格に左右される」問題点です。主な心理的瑕疵には、下記のようなものがあります。

・自殺や殺人事件があった
・孤独死があった
・忌まわしい事件・事故があった

いわゆる「事故物件」と言われるものです。自殺や殺人事件の発生があった物件は、買主が恐怖感や嫌悪感を抱くことがあり、近所からの評判や物件の市場価値にも影響を及ぼす可能性があります。

孤独死や忌まわしい事件・事故があった物件についても、不安や嫌悪感を抱くことがあります。人によっては「まったく気にしない」人もいますが、一般的には敬遠されることが多いです。そのため買主に告知せずに販売すると、大きなトラブルになる可能性があります。

環境的瑕疵

環境的瑕疵とは、物件の周辺環境に存在する問題点のことです。物件そのものには問題はなくても、その物件に入居して生活したり、物件を利用したりする上で、周辺環境が問題となることがあります。例えば、主な環境的瑕疵に下記のようなものがあります。

・近くに異臭や騒音が出る施設がある
・近隣道路の交通量が多く、車の騒音や排気ガスがひどい
・風俗店や反社会勢力の拠点がある

環境的瑕疵は、周辺環境の問題点や不快要素が、物件に悪影響を及ぼします。

例えば、近隣に異臭や騒音が出る施設がある場合、買主や入居者はその施設から発生する不快な臭いや騒音に悩まされながら生活しなければなりません。

異臭や騒音は、生活の品質や快適さに直接影響を及ぼすとても大きな要素です。また、周辺道路の交通量が多く、車の騒音や排気ガスがひどい場合も環境的瑕疵となります。

交通騒音は居住空間における静寂さを損ない、排気ガスは空気品質に影響を及ぼす可能性があるため、健康被害にもつながりかねません。さらに、風俗店や反社会勢力の拠点が近くに存在する場合も周囲の治安や安全に悪影響を及ぼす可能性があるため、環境的瑕疵となりえます。

売主には、環境的瑕疵についての適切な告知と説明が求められ、買主に対して正確な情報を提供することで、買主が物件を選ぶ際に適切な判断ができるようにするべきです。

環境的瑕疵には、物件探しの際に買主が目視で発見できるものもありますが、目視ではわからない瑕疵も多く潜んでいます。売主側が把握している環境的瑕疵はすべて説明するべきですが、買主側からも売主に対して確認してみることが大切です。

また、心理的瑕疵と同様、何を問題と感じるかは、買主の価値観次第となる部分もあります。環境的瑕疵の判断は主観的な要素が含まれるため、買主は自身の嗜好やライフスタイルに合った環境を重視する必要があります。物件を選ぶ際には、自身が快適に暮らせる環境かどうかを慎重に考慮することが重要です。

物理的瑕疵

物理的瑕疵とは、物件の物理的な問題のことです。主な物理的瑕疵には、以下のようなものがあります。

・土壌汚染
・地盤沈下
・雨漏り
・シロアリ
・ひび割れ

これらの物理的瑕疵は、買主にとって将来のトラブルや費用負担の原因となる可能性があります。例えば、土壌汚染がある場合、地下水や土壌から有害な物質が浸透し、健康や環境に悪影響を及ぼす可能性があります。

地盤沈下がある地域では、建物の安定性や耐震性に影響を与え、将来的に建物の傾きや構造上の問題を引き起こす可能性があります。雨漏りは建物の屋根や外壁の劣化や不良な施工によって発生し、室内の浸水やカビの発生などを引き起こします。

シロアリは木材を食害し、建物の構造に大きな損害を与える可能性があります。ひび割れも建物の基礎や壁に生じ、水漏れや断熱性の低下などを引き起こし、建物の安全性や快適性に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、売主は買主が物件について明確な判断を行えるよう、これらの情報を提供しなければなりません。上記のような物理的瑕疵が事前にわかっていれば、買主も修繕費用などを見込んで買うことができますし、他の物件を検討する判断もできます。

物理的瑕疵は、目視で確認可能な瑕疵だけでなく、目で見えない部分にも問題があることがあるため、買主にとっては潜在的なリスクが存在します。

法的瑕疵

法的瑕疵とは、物件における法的な問題・欠陥のことを言います。主な法的瑕疵には、下記のようなものがあります。

・都市計画法や建築基準法により利用に制限がある
・建築基準法に違反している
・防災設備の不備
・接道義務違反

例えば、建築基準法により物件の再建築ができなかったり、市街化調整区域のため建物が建てられなかったりといった制限は、売主が事前に買主に告知すべきです。市街化調整区域と知らずに「家を建てるのに良さそうな土地が見つかったから購入しよう」と、買主が土地を購入してしまうと、大きなトラブルになってしまいます。

また、建物付土地を購入し、古い建物を壊して建て替えようと思ったところ、接道義務を満たしていないため再建築ができないケースもあります。

防火設備の不備については、主にビルや集合住宅で該当しますが、避難用はしごが錆びて使えなかったり、火災報知器などの法定点検ごされていなかったりといった問題が考えられます。

防火設備の不備は、建物の火災時の安全性に大きな影響を与える重要な問題です。例えば、ビルや集合住宅において、避難用はしごが錆びて使えない状態である場合、火災発生時に住民や利用者が適切に避難する手段を失ってしまう可能性があります。

避難用はしごは緊急時の重要な避難経路であり、その機能不全は深刻な安全上の問題となります。また、火災報知器などの防火設備は定期的な点検・保守が必要です。

しかし、法定点検が行われていない場合、設備の故障や誤作動により、火災の早期発見や適切な対応が困難になる可能性があります。

これは火災の拡大や被害の増大につながる恐れがあります。防火設備の不備は、火災時の人命や財産を守る上で非常に重要な要素です。

適切な防火設備の整備と定期的な点検・保守が行われることは、建物利用者の安全性と安心感を確保するために欠かせません。

以上のような法的瑕疵は、不動産関係の知識を持っていない買主の場合、事前に告知されないとなかなか気付かないことが多いものです。そのため売主が必ず買主へ説明する必要があります。

不動産で告知義務にならないケースは?

告知事項にならないケース

不動産売買のトラブルを防ぐために必要となる告知義務ですが、必ずしも物件に関するすべての問題点が告知義務になるとは限りません。

例えば、前述の心理的瑕疵に該当する「人の死」に関する内容です。殺人事件などは明らかに告知義務がありますが、以下のようなケースには、告知義務はありません。

・日常生活で起きた不慮の事故による死
・病気や老衰などによる自然死
・住宅共用部での死亡

国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によると、「取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)については、原則として告げなくてもよい。」とされているため、自然死などについては、告知事項に記載されてないこともあります。

日常生活で起きた不慮の事故や、病気・老衰などの自然死は、人間が生活しているなかで十分に起こり得ることなので、不動産売買に大きな影響を与えないものとされています。

ただし、死亡してからしばらく発見されなかったために、遺体の腐敗が進み、悪臭や害虫の発生により特殊な清掃が行われることがあります。

このような場合は、不動産売買に影響があると判断され、告知義務の対象になります。

そのほか、人の死の発生から経過した期間や死因に関わらず、買主・借主から事案の有無について問われた場合や、社会的影響の大きさから買主・借主において把握しておくべき特段の事情があると認識した場合等は告げる必要があります。

参考:国土交通省HP-「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」

不動産の告知義務を忘れてしまうリスク

買主にとっては、物件の問題点をすべて事前に告知しておいてほしいところですが、売主が物件の瑕疵に気づかなかったり、告知するのを忘れてしまうこともあります。売主が瑕疵があることを知っていて、あえて告知しない場合は悪質ですが、売主の見落としにより瑕疵が告知されないケースもあります。

この場合、売主は、買主から以下4つの対応を求められるリスクがあります。

・補償請求
・減額請求
・契約解除
・損害賠償請求

補償請求とは、物件に物理的瑕疵があった場合に、修繕に関して対応を求める請求のことです。物件に住んだ後に、建物の損傷が見つかった場合、売主は買主から修繕のための費用を請求されます。

例えば、物件を購入した直後に壁のひび割れを発見した場合、買主は売主に対して補償請求を行うことがあります。この場合、買主は「修繕費用の負担」や「修繕期間中の住居の提供」を要求をするかもしれません。

減額請求とは、売主が上記の補償請求に対応できない場合に、物件購入費の減額を請求するものです。「補償請求に対応できない」というのは、売主が修繕費用の負担ができなかったり、そもそも修繕自体が不可能であったりする場合です。

買主の中には、「もし該当の瑕疵を事前に知っていたら、この金額では契約しなかっただろう」と考える人もいます。そのような場合、買主は減額請求を行う場合があります。

契約解除とは、売買契約そのものを解除することです。売主が補償請求や減額請求に応じなかった場合、契約解除するケースがあります。

損害賠償請求とは、買主が売買契約までにかかった費用を売主へ請求するものです。契約にかかった登記費用や印紙代、そのほか引っ越し費用なども売主へ請求されることがあります。損害賠償請求は、売主の告知義務違反によって生じた損害に対して行われます。

告知事項|まとめ

告知事項のまとめ

以上、不動産の告知事項の概要と、4種類の瑕疵の型について解説しました。不動産の売買では、売主は買主に対して物件の注意事項を事前に伝える義務があります。

これを「不動産の告知事項」といい、売主は「心理的瑕疵」「環境的瑕疵」「物理的瑕疵」「法的瑕疵」の4つの観点から、物件の問題について買主に告知しなければならないことになっています。しかし、該当物件に含まれているすべての瑕疵が伝えられるとは限りません。「何を問題と考えるか」は、買主の価値観によるところもあります。

売主は、物件の問題点をできるだけ事前に告知し、買主も、できるだけ考えられる問題点をピックアップして、事前に売主へ確認するようにしましょう。

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