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2022.09.14

不動産の購入

ライフプランはどうやって立てる?不動産購入で失敗しないために資金計画について詳しくなろう

マイホームの購入を検討し始めた際に、「ライフプラン」や「資金計画」といった言葉を目にしたことがある人も多いでしょう。

不動産の購入には多額の資金が必要なため、ほとんどの人が住宅ローンを組んで返済を行うことになります。しかし、住宅ローンは返済期間が30年以上と長くなることも多く、返済期間中に結婚や出産、子供の進学や車の購入などの多額の出費が発生した際に、お金の工面に困るケースが後を絶ちません。

本記事では、マイホームを購入する際にまず着手しておきたい「ライフプラン」と、ライフプランを基に立てる住宅購入のための「資金計画」について解説します。

向こう20年・30年の暮らしや収入・支出を予測するのは簡単なことではありません。だからこそ専門家の力を借りながら、将来どれくらいのお金が必要になり、今何をすべきか、生活に困らないためにはいくらの物件を購入すればいいかを、しっかりを把握しておくようにしましょう。

ライフプランとは?

「ライフプラン」とは人生設計のこと。将来どのような生活を送りたいか、どのようなライフイベントが起こるかを予測したり把握したりしておき、そのときに必要になる資金をどのように調達するかを計画していくことを指します。

住宅資金は「人生の3大資金」の1つ

「人生の3大資金」には、「教育資金」「老後資金」「住宅資金」があり、特に不動産の購入は「人生最大の買い物」と言われるほど、一度に多額の資金が必要になります。

ライフプランは不動産購入前に立てる

ライフプランは不動産の購入を検討し始めたら、最初に着手してほしい重要なステップです。その理由は、ライフプランが明確になっていないと、住宅ローンで借り入れを行った場合の返済額の目途が立たず、つまりは、購入できる不動産の価格が定まらないためです。

ライフプランを立てることの重要性

まれにあれこれと不動産情報を見ながらライフプランや資金計画を考える人もいますが、先に住宅情報を見てしまうと理想ばかりが膨らんでしまい、「ちょっと高いけどなんとかなるだろう」という安易な気持ちで借入を行ってしまうリスクがあります。

住宅ローンは借入金額が大きく、返済期間を30年以上に設定することがほとんどです。身の丈に合った返済プランを立てないと、将来的にローンを滞納してしまい、最悪の場合せっかく手に入れたマイホームを手放さなくてはいけなくなってしまいます。

ライフプランを立てないとどうなるか

「今の収入は安定しているし、子供の教育資金の相場も知っているから、ライフプランを立てなくても大丈夫だろう」などと思う人もいるかもしれません。しかし実は、無理のある・余裕のない返済プランでの住宅ローンの借入により、年間で2万5千もの世帯が、金融機関に対して貸付条件(月々の返済金額や返済期間の変更)変更を申請しているというデータもあるのです。
(参照:金融庁『貸付条件の変更等の状況について(平成30年4月から平成21年3月末までの実績)』)

また、返済が困難になったことにより住宅の売却を検討する人もいますが、戸建て住宅は法定耐用年数が22年とされており、新築1年目から一定の割合で価値が下がっていきます。いざ売却しようとしたときには、すでに思ったような価格がつかないということも少なくなく、たとえ売却できたとしても住宅ローン残債が残ってしまうということにもなりかねません。

教育資金が想像以上にかかってしまったり、予期せぬ病気や事故・失業により収入が途絶えてしまったりといったことは、どの世帯でも起こり得ます。ライフプランはそうした不測の事態が起きたときに備えるという意味でも、不動産購入前に立てておく必要があるのです。

ライフプランの立て方

それでは、ライフプランを立てる際に、どのような部分に着目すればいいのかを見ていきましょう。
ライフプランを立てるには、これから起こりうるイベントをすべて書き出したうえで、「収入」と「支出」の2つの側面から考えていくといいでしょう。

今の収入とこれからの収入

まずは、現在の収入や貯蓄額・預金額などを把握して、その先の収入の変動について考えてみましょう。

年収やボーナスは安定しているか

現在会社員として働いている人は、同じ会社に勤め続けた場合に年収がどう変動するか(増えるのか変わらないのか)、ボーナスは安定してもらえそうかを考えましょう。

住宅ローンで融資を受ける場合、固定金利と変動金利からプランを選びますが、その際に収入が増える見込みがあるか・ボーナスがあるかによって、選択できるプランが変わってきます。

例えば金利タイプを選ぶ際、収入アップが見込めない場合は、返済額が一定になる「固定金利」、収入が増える可能性が高いようであれば「変動金利」といった選び方もできます。ボーナスを確実にもらえる職種であれば、ボーナス払いを活用したプランも選択できる可能性があります。

また、年収の変動だけでなく「いつまで働くか」も考えておく必要があります。
住宅ローンの借り入れの際、多くの金融機関が「80歳までに完済できる」ことを条件に融資を行います。つまり、かつては定年退職の年齢とされていた60歳を過ぎても住宅ローンの返済が続くため、60歳以降の収入源についても計画しておくことが大切なのです。

配偶者は働くかどうか

夫婦で不動産を購入する場合、配偶者が働き続けるのか、あるいは働き始める予定があるのかも検討しておくといいでしょう。

夫婦共働きの場合、2人の収入を合算して審査・融資を行うタイプの住宅ローンの活用も視野に入れることが可能。契約者が1人の場合よりもまとまった資金の借入ができる場合もあります。

逆に子育てに専念するために、夫婦の一方が離職する予定があるようであれば、現在ではなく離職後の世帯収入でライフプランを組む必要があるでしょう。

退職金や年金はいくらもらえそうか

定年退職後も住宅ローンの返済が続く場合は、退職金や年金の額についてもあらかじめ把握しておくようにしましょう。

多くの人が老後資金を貯蓄や年金から捻出しますが、住宅ローンが残っていることで日々の生活費が圧迫される原因になります。退職金や年金が十分にあればそうした心配も軽減されますし、住宅購入後に貯蓄しておくべき金額の目標も定まります。

予定される支出

収入についての見通しがついたら、次にどのようなタイミングにどのような出費が発生するかを把握します。ここでは住宅購入以外で、特に多くの費用が必要になる4つのライフイベントについて見ていきましょう。

結婚費用

近年では大々的に結婚式を挙げないカップルも増えてきていますが、それでも2021年の統計によると、挙式・披露宴費用として一世帯あたり平均699万円もの支出があり、結婚は人生の一大イベントとして、多くの費用がかけられていることがわかります。

(参照:総務省統計局・令和3年 結果の概況・統計表『時系列表 特定の商品・サービスの1世帯当たり1か月の支出(二人以上の世帯)』)

挙式・披露宴費用以外にも、婚約記念品や結納・顔合わせのときの会場代、新婚旅行にかかる費用などもかかる場合があり、カップルによって費用差が大きく出る部分でもあります。

出産費用

ライフプランを立てる中で、出産時に想像以上に費用がかかることを知るケースも少なくないでしょう。出産するためには当日の入院費用のほかに、妊娠期間中の検査にかかる費用や、出産時の分娩料なども発生し、平均で46.7万円もの費用がかかるとされています。

(参照:厚生労働省:第152回社会保障審議会医療保険部会(ペーパレス)資料『 出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)結果等について』p.2)

出産費用の大部分は、健康保険による給付金で賄われます。しかし、出産後のおむつ代やミルク代といった諸費用がかかるだけでなく、産休・育休により一時的に収入がなくなる可能性もあります。

あらかじめ十分な貯蓄をしておくのはもちろん、活用できる国や自治体の給付金制度などについても調べておくと安心です。

教育資金

文部科学省が公表しているデータによると、子供1人を幼稚園から高校まで進学させた場合にかかる教育費用は、すべて公立の場合で約530万円、すべて私立の場合で約1760万円が平均となっています。
(文部科学省『令和3年度子供の学習費調査の結果について』p.1より算出)
図表1では、1年間にかかる教育費をまとめています。

【図表1】

学校 区分(公立・私立) 学習費総額(学校教育費、給食費、学校外活動費
幼稚園 公立 16万5126円
私立 30万8909円
小学校 公立 35万2566円
私立 166万6949円
中学校 公立 53万8799円
私立 143万6353円
高等学校 公立 51万2971円
私立 105万4444円

小学校は6年間、中学校・高等学校は3年間ずつ通う場合は、先述した費用がかかることになります。まとめたものが図表2です。

【図表2】

小学校(6年間) 公立 概算210万円
私立 概算1000万円
中学校(3年間) 公立 概算160万円
私立 概算440万円
高等学校(3年間) 公立 概算160万円
私立 概算320万円

さらに大学に進学させる場合には、四年制私立大学で約93万円、四年制公立大学で約54万円の年間授業料だけでなく、受験料や入学料も必要です。
(参照:文部科学省『私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について』)
(参照:文部科学省 公立大学基礎データ『2022年度学生納付金調査結果(大学昼間部)』)

教育資金は特に大学進学時に多く発生するため、早いうちから計画的に準備しておきましょう。

老後の生活費

人生100年時代とも呼ばれる現代において、退職後の生活資金をいかにして確保するかは重要な課題とも言えます。

老後の生活費としていくら必要になるかは、生活する地域や家族構成、健康状態などによっても大きく異なります。

総務省が公表している「家計調査年報(家計収支編)2021年」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の月平均消費支出額は、22万4436円です。(参照:総務省『家計調査年報(家計収支編)2021年』)

また、「家計調査報告2022年(令和4年)12月分、10~12月期平均及び2022年平均」によると、2人以上の無職世帯の消費支出(住居等を除く)は、24万7377円になります。(参照:総務省『家計調査報告2022年(令和4年)12月分、10~12月期平均及び2022年平均』)

ライフプランを立てるときはどこに相談したらいい?

ライフプランに関する相談は、保険の相談窓口やFP事務所などに行くのが一般的です。ファイナンシャルプランナーの資格を持っているアドバイザーがいると、住宅購入資金だけでなく、長い目で見たライフプランニングや資金計画の相談が可能です。

日本FP協会のホームページでは、FP協会に登録している有資格者を検索できます。

日本FP協会『CFP認定者検索システム

 

自分でもライフプラン表を作る

ライフプランを考える際にはファイナンシャルプランナーなどに相談するのが一般的ですが、サービスを販売する立場のアドバイザーからは、中立の意見を聞くことはなかなか難しい部分があります。

そのため、専門家への相談と並行して、自分でライフプラン表を作成してみるのがおすすめです。
日本FP協会からは「家計の収支確認表」や「ライフイベント表」といったツールが公開されており、無料でダウンロードして使用することが可能です。

不動産購入のための資金計画の立て方

ライフプランを立てたら、いよいよ不動産購入のための資金計画に移ります。

不動産購入にかかる費用を知る

不動産を購入するためには、不動産自体の売買代金のほかに、不動産会社に支払うお金や手続きにかかるお金、住宅ローンを利用する際の手数料なども発生します。

想定外の出費にも対応できるように、不動産購入にかかる費用の全体像をあらかじめ掴んでおきましょう。

【マイホーム購入時に必要な費用一部】

仲介手数料 不動産会社に支払う手数料。
住宅ローン手数料 住宅ローンを利用する場合に発生し、金融機関ごとに金額が決められている。
融資手数料のほかに、保証会社へ支払う保証委託料、団体信用保険料などが含まれます。
登記費用(登録免許税) 不動産を取得した際に、所有権を登記するために必要な費用。
収入印紙代(印紙税) 売買契約書や請負契約書に貼り付ける印紙の代金
手付金 買主から売主に対して支払うお金で、「解約手付」になるのが一般的。
買主は手付金を放棄することで、売主は手付金の倍額を買主に支払うことで、売買契約を解除できる。
火災保険料 火事以外にも、洪水や雷のような自然災害、盗難をはじめとする人災に備えるために加入する保険の代金。
地震による損害は補償の対象外になるため、地震保険には別途加入する必要がある。
引越し費用 引越し業者を利用する場合の代金は、業者や荷物の量、時期によっても大きく変動するため、必ず相見積もりをとるようにしましょう。
また、新しく家具や家電を購入する場合は、その費用も考慮しておきましょう。
修繕積立金
(マンションの場合)
マンション全体の改修工事や補修・修繕のために使われるお金で、分譲マンションに住んでいる間は毎月支払う必要があります。

購入する物件の種別や住宅ローンを組む金融機関によっては、上記以外の費用が発生することもあります。

また、中古住宅を購入して住む場合には、リフォーム工事をすることもあるでしょう。どのような工事にどれくらいの費用がかかるかを調べておくだけでなく、リフォーム工事を行うことによって受け取れる補助金の制度についても知っておくと、手続きする際に慌てずに済みます。

「借りられる金額」=「返済できる金額」ではない

不動産の購入を検討し始めると、まず購入したい間取りや立地・デザインの物件を探してきて、それに合わせて資金調達法を考える人もいますが、この方法はおすすめしません。

その理由は、住宅ローンの借入時に無理のある返済プランを立ててしまい、将来的に返済不能に陥る可能性が高いためです。

混同されがちなのですが、「住宅ローンで借りられる金額」と「返済できる金額」はイコールではありません。住宅ローンを利用してマイホームを購入する際には、あくまでも「返済できる金額」をベースにして、いくらの物件であれば購入できるかを知っておく必要があるのです。

住宅ローンを利用して受ける融資額の目安は、家族構成やライフイベントによっても変動します。一般的には年間総住居額(返済額+購入後にかかる費用や税金など)が手取り収入の25%以内、または現状の家賃と同水準が望ましいとされています。

住宅購入に使えるお金を把握する

不動産を購入する際に必要な頭金や住宅ローンの手数料、不動産会社に支払う仲介手数料などの初期費用(住宅購入費用)は、手持ちの現金や預金から支払うのが一般的です。

ここで大切なのは、手持ち資金をすべて住宅購入費用に充ててしまわないこと。結婚・出産・教育・老後のための資金として貯金しておくことも大切ですが、「目の前の生活を守ること」も重要です。

住宅ローンの借入が始まってから、病気や怪我で働けなくなってしまったり、失業により収入が途絶えてしまったりすると、どんなにライフプランを立てていても生活できなくなってしまいます。

そのため、住宅購入に充てる費用を算出する際には、生活費用の3ヶ月~6ヶ月分を手元に残しておくことをおすすめします。まとまったお金を残しておくことで、収入の増減だけでなく、予定外の出費にも耐えられるため、資金的・精神的余裕を持つことができるようになります。

手持ちの資金から、生活予備費と将来必要になるお金を差し引いた金額が、今現在住宅購入資金として使えるお金です。

購入する不動産の価格を決める

現在と将来の収支バランスを把握し、生活予備費を残し、月々の返済可能金額を把握して初めて、購入する不動産の価格を決めます。

初めてのマイホームとなると、理想の面積・立地・設備・材質など多くのこだわりを持っているかと思います。親族からの援助を受けられる場合や、手持ち資金に余裕がある場合は、少しずつこだわりのポイントをオプションとして増やしていってもいいでしょう。

しかしそれも、あまりにも計画から逸脱したものを取り入れてしまっては、これまで立ててきたライフプランや資金計画が意味をなさなくなってしまいます。

予算オーバーになる可能性が見えてきたら、資金計画を見直すだけでなく、取得する住宅の仕様や条件も検討し直す必要があります。分譲マンションであれば少し郊外の物件も候補に入れてみたり、注文住宅の場合は面積を減らす・間取りをシンプルにして使用する建材を減らすなどの工夫ができます。

資金計画についてはファイナンシャルプランナー、住宅資金の削減についてはハウスメーカーや不動産会社に相談し、慎重に決めていくようにしましょう。

不動産購入のタイミング

ライフプランを立てていると、「いつのタイミングでマイホームを購入するのがいいんだろう?」と迷うことも少なくありません。

国土交通省が実施している「住宅市場動向調査」によると、初めてマイホームを取得した人の平均年齢は、注文住宅の場合で40.0歳(全国平均)、分譲マンションの場合で39.5歳(三大都市圏)です。いずれも30代でマイホームを購入している人がおよそ半分を占めており、次いで40代が多いという結果になっています。
(参照:国土交通省『令和3年度住宅市場動向調査報告書』p.41)

30代・40代は収入や生活が安定し始める時期であるのと同時に、結婚や出産といった節目に、自分たちだけの住まいづくりを検討する人が多いタイミングでもあります。若いうちにマイホームを購入することで、住宅ローンの返済期間を長く・月々の返済金額を安く設定することも可能になるというメリットもあります。

いくら早くマイホームが欲しいからといって、無理のある返済計画を立ててしまっては、返済金額に生活を圧迫されてしまい元も子もなくなってしまいます。あくまでも自分たちの収支のバランスとライフプランにあった資金計画を立てるようにしましょう。

不動産購入前のライフプラン作成はファイナンシャルプランナーへ相談

不動産の購入には多くの資金が必要になるため、将来実現したいことや理想の生活、想定されるライフイベントも考慮したうえで、購入計画を立てることが非常に大切です。

ライフプランは個人でも作成可能ですが、より確実な住宅ローンの返済計画や、不動産購入のための資金計画を立てるためには、ファイナンシャルプランナーの専門的な知識と経験を活用することをおすすめします。

不動産会社やハウスメーカーの中には、不動産売買と住宅ローンの両方に精通したファイナンシャルプランナーが在籍している業者もあります。ライフプラン作成だけでなく、不動産購入の相談にも親身にこたえてくれる業者を探すようにしましょう。

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