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2022.06.17

不動産の購入

不動産トラブルにはどんなものがある?相談先や防止方法について徹底解説

不動産取引は、宅地建物取引業法だけでなく、他の法律とも複雑に絡み合って成り立っています。そのため一度トラブルに発展すると、なかなか一人で解決することが難しいだけでなく、対応を間違えるとさらに大きなトラブルに発展する可能性も含んでいます。

本記事では、特によく相談される不動産トラブルの事例を紹介します。万が一トラブルが起きたときの相談先や、トラブルを未然に防ぐために意識したいことについても解説しますので、安心した不動産取引をするための参考にしてください。

1.相談の多い不動産トラブル

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一言で「不動産トラブル」といっても種類はさまざまですが、なかでも多くの人が直面するトラブルがいくつか存在します。不動産を借りたり購入したりする予定のある人、すでに不動産取引をしているという人は、これから紹介するトラブル事例を知っておくと、トラブルを未然に防ぐことが可能です。

1)賃貸物件に関するトラブル

マンションやアパートといった賃貸物件においては、以下3つについての相談が多く見受けられます。

(1)設備に関するトラブル
(2)近隣住民とのトラブル
(3)退去時のトラブル

それぞれについて詳しく解説します。

(1)設備に関するトラブル

長年生活していると、室内の設備や機器が故障したり破損したりすることもあるでしょう。入居後に借主自身で取り付けた機器については、借主が修理・交換する必要があります。一方で、入居時に「設備」として部屋と一緒に貸し出されている物に関しては、貸主が修理・交換する義務があるのです。

契約時に締結する賃貸借契約書において、借主は室内の設備が破損・故障した場合はすぐに申し出ること、貸主は設備の破損・故障時にすぐに適切な対応をすることが定められています。「このくらいなら生活するうえで問題ないから」などという理由で放置せず、すぐに管理会社か大家さんに相談するようにしましょう。

(2)近隣住民とのトラブル

賃貸マンションやアパートといった集合住宅では、生活音が気になる、ごみ捨てなどのルールが守られていない、共用部でのマナーが悪いといった相談が後を絶ちません。他の入居者に対して直接苦情を言ったり、管理人に対して感情的なクレームを入れてしまう人もいますが、適切に対処しないとかえって状況が悪化してしまう場合もあるので注意が必要です。

(3)退去時のトラブル

退去時によくトラブルになるのが、原状回復費用と敷金の返還についてです。

一般的な賃貸借契約では、借主は部屋を退去する際に、室内を元通りの状態にして明け渡す必要があると定められています。これを「原状回復」といいます。「元通りの状態」というのは新品の状態ということではなく、借主が入居した時と同じ状態のことを指します。つまり、入居の際にすでにあった汚れや傷については、借主が修復費用を負担する必要はありません。

しかしながら、管理会社によっては必要以上に原状回復費用を上乗せしたり、借主が支払う必要のないクリーニング費用を請求することもあります。その場合、本来返ってくるはずの敷金が返ってこない、ということも考えられるのです。

2)売買で取得した不動産に関するトラブル

売買によって不動産を取得する際は、仲介する不動産会社によって当該不動産の調査が行われ、契約時に行われる重要事項説明にて、不動産の状態についての説明を受けます。しかし実際は、いざ土地に建物を建てる段階になったり、何年か暮らしてみて初めて発覚する問題も少なくないというのが現実です。

土地と建物それぞれにおいて、特に相談の多いトラブルについて紹介します。

(1)土地に関するトラブル

・境界線が曖昧

土地の売買における境界線の問題はもはや定型的です。
売主には「境界明示義務」があり、隣の土地との境界線をはっきりさせたうえで売却しなくてはいけません。しかし、売主によっては隣の土地との境界線がはっきりしないまま売買に出していることもあり、買主がいざ土地を活用しようとしたときに、隣地の所有者と揉めるケースもあるのです。

不動産売買において境界線のトラブルを起こさないためには、売買契約を締結する前に境界線をはっきりさせておくことが大切です。境界確定測量を行い、売主・買主・隣地所有者の三者により境界線を確定するようにしましょう。

・地下埋没物(地中障害物)

「地下埋没物」は地中障害物と呼ぶこともあり、地下に残った古い建物のコンクリート躯体などのことを指します。従前の建物を解体する際に、地下階を撤去せずにそのまま埋め戻したものです。更地の状態では地下に何が埋まっているかを目視で確認できないため、地下埋没物がある場合は、売主から買主に事前に告知する必要があります。

ところが、契約前にこうした告知が行われず、引き渡しが完了した後に地下埋没物の存在が明らかになるケースもあります。こうした不動産の欠陥(瑕疵)があることにより、当初の目的が達成できない(家を建てられないなど)ともなると、場合によっては買主から売主に損害賠償を請求したり、契約解除を求めたりすることになります。

(2)建物に関するトラブル

・契約不適合責任(瑕疵担保責任)

購入した建物の引き渡しを受けた後にも、安全に住めない・目的が達成できないといった欠陥(瑕疵)が見つかる場合があります。
物理的な瑕疵としては、雨漏り・家の傾き・シロアリの被害などがあげられ、売主側にこれらに対処するための費用負担の責任(契約不適合責任)が発生します。
環境的な瑕疵としては、例として次のようなものが挙げられます。

施設例現象
近隣での高層ビル建築計画など眺望・日照の阻害
墓地・刑務所・葬儀場・風俗店など心理的忌避
危険物取扱工場・反社会的組織の事務所など生活安全性や防犯への不安
工場・ゴミ焼却場・火葬場などばい煙・悪臭などの衛生的不安
飛行場・鉄道・航空基地・物流倉庫など騒音や振動

上記のような条件のある物件であっても、長年居住してきた売主が慣れてしまっており、瑕疵と感じていないケースもあります。しかしながら、買主が「このような物件であれば購入しなかった」と判断する可能性のある部分については、売主から買主に対して事前に告知しておく必要があります。

(3)管理規則に関するトラブル

マンションの売買においては、管理規則の説明が十分になされないこともトラブルの一因です。

管理規則とは、マンションの一室に居住するにあたって守るべきルールのことで、マンションごとに細かく定められています。
多く問題となるのが「リフォーム」「ペットの飼育」「バルコニーの使用方法」です。
「この部屋は自分が購入したものだから自由に使っていいはず!」と考える人も少なくありませんが、床の張替えをしようと思ったら管理規則で禁止されていたり、バルコニーで布団を干すことが禁止されていたりというトラブルも多くあるのです。

管理規則は本来、契約締結前に不動産会社や売主から説明を受けますが、説明が不足していたり売主が勘違いしていたりするケースもあります。契約前には必ず最新の管理規則を受け取り、内容をしっかりと確認するようにしましょう。

3)不動産取引に関するトラブル

売買契約や賃貸借契約を締結する不動産取引において、特にトラブルになりやすいのが「仲介手数料の金額」と「契約解除」についてです。

(1)仲介手数料

「仲介手数料」とは、仲介をした不動産会社に対して支払う成功報酬のことをいいます。仲介手数料は、宅地建物取引業法により上限金額のみが決められており、その範囲内であれば仲介業者と依頼主の間で金額を決定していいことになっています。ところが、不動産会社の中にはこうしたルールをきちんと開示せず、あたかも上限金額を支払わないと契約できないかのような説明をする会社もあるのです。

また、仲介手数料とは別に「コンサルタント料」や「書類作成代」といった名目で、高額な費用を請求されるケースもあります。こうした本来必要のない費用を請求されないためには、事前に契約金の見積もりを出してもらい、計算方法や他に余分な費用が発生しないことを明確にしておくことが大切です。

(2)契約解除

契約解除に関するトラブルとして特に多いのが、不動産を購入する契約をしたものの、ローン審査が通らなかったケースです。
住宅ローンを組む際、申込者の信用力でどこまでの借入が可能かを審査してもらえる「事前審査」を利用できるローン会社もあります。不動産を購入する時は多くの人が住宅ローンを利用するため、ローンが通らなければ購入しないという人がほとんどです。不動産会社が仲介に入る場合、通常であれば「ローン審査が通らなかった場合は売買契約を無効とする特約」をつけることになります。

ところが、不動産会社を介さずに不動産を購入したり、担当の不動産会社がつけた特約が不十分だったりすると、ローンの審査が通らなかった際に契約を解除できず、揉める原因になってしまうのです。

2.不動産トラブルが発生した場合はどこに相談したらいい?

思いがけないトラブルが発生したとき、パニックになってしまいどこに相談すれば解決できるのかわからないというケースも少なくありません。しかし、不動産に関連するトラブルは、迅速かつ適切に対応しないと、気づいたころにはより被害や損害が拡大してしまっていた、ということにもなりかねないのです。

トラブルが起きる前に大まかに相談先を把握しておくことで、いざという場合に冷静に対処することが可能です。

1)入居中のトラブルは管理会社に相談

入居中に起きたトラブルは、まずはマンションやアパートを管理している管理会社に相談するようにしましょう。
室内設備の故障などがあった場合に、入居中の補修や修理は原則として管理会社や大家さんが手配します。特に水漏れが起きた場合は、早く対処しないと他の入居者や貸室へ被害が拡大することもあるため、水漏れに気づいたらすぐに連絡するようにしましょう。

また近隣住民との摩擦が生じそうなときも、一度管理会社を経由することで、温和に解決できる可能性が高まります。

2)不動産取引に関するトラブルは仲介会社が加入している協会の相談窓口

不動産会社に仲介を依頼した契約においてトラブルが発生した際は、その不動産会社が加入している協会に相談するという方法があります。

・不動産無料相談/都道府県宅建協会

ハトのマークがついている不動産会社は、宅地建物取引業協会(通称:宅建協会)という組織に加入しています。この協会に加入している不動産会社に仲介を依頼してトラブルになった場合は、各都道府県の宅建協会が設けている無料相談窓口を利用できます。

各都道府県の無料相談所は、下記URLから検索可能です。都道府県によって相談の受付日時が異なるため、事前に電話で問い合わせておくと安心です。

【都道府県宅建協会・不動産無料相談所一覧】
https://www.zentaku.or.jp/takken/

・不動産保証協会

ウサギのマークがついている不動産会社は、不動産保証協会に加入しています。不動産保証協会の地方本部にも一般消費者からの相談を受け付けている窓口があり、相談内容に応じて問題解決・苦情解決のための協議斡旋などをしてもらえます。

不動産保証協会の地方本部一覧は、下記URLから確認可能です。

【(公社)全日本不動産協会『地方本部一覧』】
https://www.zennichi.or.jp/about/address/chihou/

3)それでも解決しない場合

不動産は宅地建物取引業法だけでなく、民法をはじめとした法律が複雑に絡み合っています。そのため、不動産会社や管理会社・大家さんに相談をしても、望む回答が得られない・解決しない場合は、弁護士の力を借りる必要があります。
相談できる弁護士がいなかったり、費用に心配があったりする場合は、法テラス(日本司法支援センター)の相談窓口が利用可能です。法テラスでは、収入や資産などが一定以下の人は無料で相談できる場合があるため、費用面での不安を抱えている人も一度相談してみることをおすすめします。

【法テラス】
https://www.houterasu.or.jp/index.html

3.不動産トラブルに発展させないためにできることは?

不動産に関するトラブルは、専門家が対応してくれる相談窓口が多く存在しますが、トラブルが起きないに越したことはありません。不動産トラブルを未然に防ぐためのポイントを押さえておきましょう。

1)契約書の内容をしっかりと確認

部屋を借りたり不動産を購入したりする際は、なんといっても契約書の内容をしっかり確認しておくことが大切です。不動産取引に関する書類は内容が複雑なものも多く、特に売買契約においては書類の量も膨大になります。
だからといって「どうせ読んでもよくわからないし、不動産会社の人から説明を受けられるから読まなくていいだろう」という姿勢でいると、自分にとって不利な部分を見落としたり、確認すべきところを忘れてしまったりすることも少なくありません。

契約を締結すると「内容を理解して同意した」と判断されるため、後になって「実はあまりよくわかっていませんでした」という主張は通りません。
契約書類に目を通すのには時間も労力もかかりますが、すみずみまで内容を確認してきちんと理解してから契約を締結するようにしましょう。

2)不明点があれば契約締結までに質問

不動産会社が仲介に入る場合、不動産の契約締結時に「重要事項説明書」という書類が発行されます。重要事項説明書は、契約書の内容で特に重要な部分を抜粋したもので、不動産の状態(構造・検査状況・設備など)や、不動産のある土地の状況などについても詳しく記載されています。

仲介に入る不動産会社には契約者に対して、宅地建物取引士による重要事項説明を行う義務があり、契約者にとって不利な条件がある場合は、あらかじめ説明しなくてはいけません。不動産の状態や状況について不明な点がある場合は、そのままにせずに必ず宅地建物取引士に質問するようにしましょう。

3)トラブル事例を事前に知っておく

国土交通省のホームページには、過去に起きた不動産取引に関するトラブルを検索できるデータベースがあります。起きたトラブルの内容だけでなく、裁判でどのような判決が下ったのか、宅地建物取引業者に対してどのような行政処分が行われたかも検索できます。

【国土交通省『不動産トラブル事例データベース』】
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000001.html

上記サイト以外にも、各不動産会社が提供している過去の相談事例や、契約書の内容で理解しにくい箇所を解説しているサイトも多くあるため、上手に活用することが大切です。

4)第三者に早めに相談する

不動産会社・管理会社、売主や大家さんから適切な対処をしてもらえるのが理想ですが、中には感情的になるあまり余計に問題が大きくなってしまったり、避けられたはずの損害を被ることになってしまったりするケースも少なくありません。
こうした当事者同士だけでは解決が難しい場合には、第三者による意見を聞くようにしましょう。特に、不動産会社を相手に不服を申し立てる場合、不動産の知識の薄い一般消費者はどうしても不利になってしまう可能性が高いのです。

最初のうちは各種無料相談窓口を利用することで、これからどのように行動すればいいのか、費用が発生しても専門家に頼ったほうがいいのかの判断材料も得られます。不動産の悩みや心配事は一人で抱え込まず、第三者に相談することでまずは心を軽くするというのも大切です。

まとめ

不動産トラブルの解決には法律的な専門知識が必要なだけでなく、多くの時間や費用・労力がかかることも少なくありません。契約書をしっかりと読み込んで不明点をなくしておくだけでも、トラブルを未然に防ぐことにつながります。

しかしながら、どんなに慎重に契約を締結し、近隣住民や管理規則に配慮した生活を送っていたとしても、思いがけない問題や被害に直面することもあるでしょう。不動産トラブルが発生したら、できる限り早めに行動するようにし、第三者の力も借りながら冷静に対処することが大切です。

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