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2022.12.27

土地の購入

土地購入の諸費用を解説【シミュレーションあり】

土地購入において、土地代の他にどんな諸費用がかかるか、きちんと把握していますか?
諸費用の目安は土地代の10%で、1000万円の土地を購入すると100万円の諸費用がかかる計算になります。

固定資産税や仲介手数料、各専門家への報酬など、土地購入は想像以上に費用が膨らむもの。
予算オーバーで後悔しないためには、土地代以外の諸費用も正確に計算したうえで、購入予算を立てることが大切です。

この記事では、土地購入にかかる諸費用について、以下の3つのタイミングにわけて解説します。

・売買契約が成立した時
・土地が引き渡される時
・土地の所有中

1000万円の土地を購入した場合の、具体的な仕訳や合計金額についてもシミュレーションしているので、ぜひ最後までお読みください。

売買契約が成立した時にかかる費用

土地の売買契約が成立した時にかかる費用は、以下の4つです。

・手付金
・仲介手数料
・印紙税
・住宅ローン事務代行手数料

土地購入において、売買契約が成立した時にはじめて、諸費用の支払いが発生します。
それぞれ諸費用について、内容や金額を見ていきましょう。

手付金

手付金は、売買契約成立の証として、土地の売主に支払います。
手付金の相場は購入代金の5%〜10%ほどで、上限は20%までと法律で決められています。
不動産屋を通して、現金で支払うのが一般的です。

手付金は基本的に、土地の購入代金の一部として扱われるため、支払った分は購入代金に充てられます。

売買契約が成立した後に、なんらかの理由で契約を解除する場合は、手付金は戻ってきません。
手付金は、売主や不動産屋が安心して買主と取引できるようにする役割も果たしています。

仲介手数料

仲介手数料は、土地の売主との間を仲介してくれた不動産屋に対して支払う費用です。
不動産屋によっては、売買契約が成立した時と土地を引き渡す時にわけて支払うこともあります。

仲介手数料の金額は法律で決められており、計算式は以下のとおりです。

(土地の価格 × 3% + 6万円)+ 消費税 = 仲介手数料

例えば土地の価格が1000万円で、消費税が10%の場合、仲介手数料は39.6万円になります。

(1000万円 × 0.03 + 6万円)×1.1 = 39.6万円

また不動産会社が所有していた土地を購入した場合、仲介ではなく直接的に取引をしているため、仲介手数料はかかりません。

印紙税

土地の売買契約書には、公正な取引であることを証明するために、規定の金額の収入印紙を貼らなければなりません。
書類に貼った印紙が消印されることで、印紙税を納税したことになります。

印紙税の金額は土地の購入金額により変わります。
令和6年3月31日までに作成された売買契約書には軽減税率が適用されるため、1000万円超〜5000万円の土地の場合、印紙税は1万円です。

土地の購入金額が1000万円以下もしくは5000万円を超えている場合の印紙税額ついては、国土交通省のホームページをご確認ください。

また、住宅ローンを組む際に金融機関と結ぶ金銭消費貸借契約書にも、収入印紙を貼る必要があります。
金銭消費貸借契約書の印紙税額は、借り入れる金額が1000万円超〜5000万円の場合、2万円です。

住宅ローン事務代行手数料

住宅ローン事務代行手数料は、住宅ローンの審査手続きを代わりに行ってくれた不動産屋に対して支払う金額です。

住宅ローンを利用して土地を購入する場合、売買契約成立後に審査を受けます。
審査では揃えなければならない書類が多く、手続きの時間が取れない人も少なくありません。
そんな時、不動産屋にお願いすれば審査の手続きを代行してくれます。

住宅ローン事務代行手数料の相場は、10万円ほどです。
自分で手続きを行う場合には、基本的に審査時の手数料はかかりません。

土地が引き渡される時にかかる費用

土地が引き渡される時は、以下のように様々な費用の精算が必要です。

・住宅ローンの事務手数料
・住宅ローンの保証料
・購入代金の残金
・登録免許税
・司法書士への報酬
・固定資産税
・都市計画税
・測量費用
・農地転用費用

司法書士など多くの人が関わり、動く金額も大きいため、1つずつ確実に理解していくことが大切です。引き渡し時に精算する諸費用を、それぞれ解説していきます。

住宅ローンの事務手数料・保証料

住宅ローンを組んで土地を購入した場合、土地の引き渡しと同時に融資が実行され、事務手数料と保証料を支払います。

・事務手数料

こちらは不動産屋に支払う「事務”代行”手数料」ではなく、金融機関に支払う事務手数料です。
事務手数料の金額は、借り入れ金額の2.2%が相場ですが、金融機関ごとに異なります。

・保証料

保証料は、保証会社を利用する際に必要な費用です。
保証会社を利用することで、万が一ローンの返済が滞ってしまった場合に、一時的に保証会社が返済費用を立て替えてくれます。
住宅ローンでは大きな金額を借り入れるため、ほとんどの金融機関が保証会社の利用を必須としています。

保証料の支払い方法は、融資実行の際に一括で支払うか、毎月支払う住宅ローンの金利に上乗せするかの2択です。
一括で支払う場合は借り入れ金額の2%ほど、金利に上乗せする場合は0.2%ほどの金額が相場とされています。

購入代金の残金

購入代金の残金とは、土地の購入金額から、売買契約締結時に支払った手付金を引いた金額のことです。

住宅ローンとして借り入れた金額が自分の口座に振り込まれた後、購入代金の残金を土地の売主に支払います。売主が金額を確認して問題がなければ、取引完了です。

金額が非常に大きいため、手続きが不安な場合は、金融機関から売主に直接振り込んでもらうことも可能です。

登録免許税

登録免許税は、所有権の移転登記の際に支払います。
所有権の移転登記とは、登記簿に書いてある土地の所有者を自分に変更して、土地の正式な持ち主となるための手続きのことです。

土地の購入に対する登録免許税の金額は、以下の式で計算します。

固定資産税評価額 × 規定の税率

固定資産税評価額の目安は、土地の時価の70%前後です。
規定の税率は基本的に2%ですが、令和5年3月31日までに登記をする場合は、1.5%に軽減されます。

また住宅ローンを組む際にも、抵当権を設定するための登記で登録免許税がかかります。

こちらの税額の計算式は、以下のとおりです。

住宅ローンの借り入れ額 × 0.4%

司法書士への報酬

所有権の移転や抵当権設定時の登記は、司法書士が対応してくれます。
司法書士への報酬額の規定はありませんが、5万円〜10万円ほどが相場です。

司法書士は、土地購入が安全かつスムーズに進むように、様々なサポートをしてくれます。

・登記申請書の作成
・必要書類の収集
・法務局への提出
・土地引き渡し時の精算への立会
・不動産屋との連携

住宅ローンを利用するにあたって、司法書士を付けることを必須条件にしている銀行も少なくありません。

固定資産税

固定資産税は、土地を所有している人が市町村に支払う税金です。毎年1月1日に納付書が届き、1年分の固定資産税を数回にわけて納付します。

年の途中で土地を購入した場合、その年の固定資産税は売主が既に支払っているケースがほとんどです。一般的には、固定資産税を日割り計算して、売主が払いすぎたぶんの固定資産税を売主にお戻しします。

固定資産税は、以下の式で計算します。

固定資産税評価額(課税標準)× 1.4%(標準税率)

土地の条件によっては固定資産税が減免されるケースもあるため、各自治体のホームページから確認しましょう。

都市計画税

市街化区域に土地がある場合は、都市計画税を納める必要があります。
都市計画税とは、道路整備などの都市計画事業に使うための税金で、基本的に固定資産税とあわせて支払います。

また市街化区域とは、すでに市街地を形成していて栄えている区域のことです。
これから優先的に開発させる区域も含まれます。

都市計画税の計算方法は、以下のとおりです。

固定資産税評価額(課税標準)× 0.3%(制限税率)

制限税率は自治体によって変わりますが、上限は0.3%と定められています。

測量費用

測量費用は、土地の測量を実施した場合に、対応してくれた土地家屋調査士に支払います。
測量とは、土地の境界や面積を調査して明確にすることです。

隣の土地との境界を示すための境界杭が無かったり、壊れていたりすると、境界があいまいになります。そのままにしておくと「どこまでが自分の土地か」という論点で、隣人トラブルに発展してしまう可能性もあるため、測量して明確な境界を定める必要があります。

測量費用は土地の売主が支払うケースもあり、相場は40万円〜50万円です。

農地転用費用

農地転用とは、田んぼや畑などの農地だった土地を、建物を建てるために宅地に変更することです。
農地転用の際に支払う手数料のことを、農地転用費用と言います。

市街化区域にある土地を農地転用する場合は、農業委員会に届け出ます。
一方で、市街化調整区域にある土地を農地転用する場合は、都道府県知事からの許可が必要です。

街の活性化を推進している市街化区域に対して、市街化調整区域は、農地や森林を守るために街の活性化を抑制しています。

農地転用の届け出や許可を得る際にかかる手数料の相場は、5万円〜20万円ほどです。
一般的に買主が支払いますが、売主が支払うケースもあります。

土地の所有中にかかる費用

土地の引き渡しが完了して、土地の持ち主となった後にも、様々な費用がかかります。

土地購入時にかかる費用ではありませんが、支払いの通知が来た際に焦らないよう、土地の所有中にどんな費用がかかるのかを事前に知っておくことが大切です。

固定資産税・都市計画税

固定資産税や都市計画税は、土地の引き渡し時にも支払った税金です。
土地のような固定された資産に対してかかり、土地を所有しているかぎりは毎年支払い続けることになります。都市計画税は、土地が市街化区域にある場合に、固定資産税とあわせて毎年支払います。

土地の所有中にかかる固定資産税や都市計画税の計算式は、土地の引き渡し時と同様です。

不動産取得税

不動産取得税は、土地を取得したことに対する税金です。
土地の引き渡し時に所有権移転登記を行った後、半年ほど経つと都道府県から納税通知書が届きます。

不動産取得税の計算方法は以下のとおりです。

土地の固定資産税評価額 × 3%

「購入した土地に、条件を満たした家を3年以内に建てる」など、一定の条件をクリアすれば減額されるケースもあります。

土地購入費用の目安

実際に土地を購入するときには、土地そのものの価格以外に税金や諸費用がかかります。
例えば、1000万円の土地で約100万円の諸費用です。

ここでは、1000万円・3000万円・5000万円・8000万円・1億円の土地を例に挙げて、実際に土地を購入する際の費用についてシミュレーションします。

なお、土地などの条件は以下を仮定します。

・手付金は土地購入代金の10%
・測量や農地転用は行わない
・固定資産税評価額は土地の時価の70%とする
・住宅ローンの審査は自分で手続きする

▼売買契約が成立した時にかかる費用

1000万円 3000万円 5000万円 8000万円 1億円
手付金 100万円 300万円 500万円 800万円 1000万円
仲介手数料 39.6万円 105.6万円 171.6万円 270.6万円 336.6万円
印紙税 0.5万円 1万円 1万円 3万円 3万円
合計 140.1万円 406.6万円 672.6万円 1073.6万円 1339.6万円

▼土地が引き渡される時にかかる費用

1000万円 3000万円 5000万円 8000万円 1億円
住宅ローンの手数料 22万円 66万円 110万円 176万円 220万円
住宅ローンの保証料(一括) 20万円 60万円 100万円 160万円 200万円
購入代金の残金 900万円 2700万円 4500万円 7200万円 9000万円
登録免許税 10.5万円 31.5万円 52.5万円 84万円 105万円
司法書士への報酬 10万円 10万円 10万円 10万円 10万円
固定資産税(1年分) 9.8万円 29.4万円 49万円 78.4万円 98万円
都市計画税(1年分) 2.1万円 6.3万円 10.5万円 16.8万円 21万円
合計 974.4万円 2843.2万円 4832万円 7725.2万円 9654万円

土地の売買契約成立〜引き渡しにかかる諸費用を追加した1000万円・3000万円・5000万円・8000万円・1億円の土地の価格は以下のとおりです。

・1000万円:約1115万円
・3000万円:約3250万円
・5000万円:約5505万円
・8000万円:約8799万円
・1億円:約1億994万円

諸費用を考慮しておかないと、諸費用分の予算が足りないといった事態になってしまうかもしれません。

【シミュレーション】1000万円の土地購入にかかる費用

土地購入にかかる費用について理解していても、具体的にどれほどの金額になるのかまでは想像しづらいでしょう。
それぞれの費用の相場から、1000万円の土地を購入した場合にかかる費用をシミュレーションします。

なお、土地などの条件は以下を仮定します。

・市街化区域の土地である
・測量や農地転用は行わない
・固定資産税評価額は700万円とする
・住宅ローンの審査は自分で手続きする

▼売買契約が成立した時にかかる費用

手付金 100万円
仲介手数料 39.6万円
印紙税 0.5万円
合計 140.1万円

▼土地が引き渡される時にかかる費用

住宅ローンの手数料 22万円
住宅ローンの保証料(一括) 20万円
購入代金の残金 900万円
登録免許税 10.5万円
司法書士への報酬 10万円
固定資産税(1年分) 9.8万円
都市計画税(1年分) 2.1万円
合計 974.4万円

土地の売買契約成立〜引き渡しにかかる総費用 = 約1115万円

1000万円の土地を購入すると、諸費用だけで115万円かかることがわかります。
想像よりも大きい金額に驚いた人は多いのではないでしょうか。

固定資産税や都市計画税は1年分で計算しているため、実際は日割り計算により金額が多少下がります。
土地購入にかかる土地代以外の諸費用は、土地代の10%前後を目安としましょう。

予算が足りないときの対処法

希望のエリアが予算オーバーでも、すぐに購入を諦める必要はありません。土地の価格は、土地の場所・面積・形によっても異なります。

予算が足りないときは、以下のポイントを考慮して購入代金を削減できるか検討してみましょう。

土地の場所を変える

利便性が高く人気のあるエリアや、南側が道路に面していると、土地価格は高くなりがちです。日が当たりにくい場合は、自然の光が入るよう採光窓を設置する。特急や快速が停車する駅が最寄りの場合は、駅まで少し離れた土地や1駅違いを視野に入れるなど、土地の場所を探す範囲を広げましょう。

小さい土地に変える

小さい土地でも家を建てることはできます。一般的に、地方では広い土地が多く、利便性の高い人気のエリアでは小さい土地しか見つからない場合が多いです。
小さい土地は庭や駐車場などの確保が難しくなりますが、設計を工夫することでデメリットを克服できます。

土地の価格を安く抑えたい場合は、小さい土地に変えることで坪単価や固定資産税が安くなるため、小さい土地も候補に入れて探すことをおすすめします。

不整形地に変える

きれいな四角の土地である整形地は、設計や間取りの自由度が高く人気がある土地形状です。そのため、不整刑地と比較して土地価格が高い傾向にあります。

しかし、不整形地である旗竿地・台形地・三角地・うなぎの寝床などはデメリットだけでなく、メリットもあります。

住んだあとをイメージすることで、より適した土地形状を選択できるでしょう。

まとめ【余裕を持たせた予算計画が大切】

土地購入には、土地代に加えて様々な諸費用がかかります。
税金や住宅ローンの計算など、はじめての場合は難しく感じることも多いかもしれません。
しかし「なんとなくこのくらいかな?」と、どんぶり勘定をすると、予算オーバーなどの後悔に繋がります。

土地購入で大切なのは「どんな費用がいくらくらいかかるのか」を事前に把握して、余裕を持たせた予算を考えることです。

また、税金には多くの軽減措置があるため、土地購入のスケジュールを立てる際にも参考になります。
不動産屋にも相談しながら、納得のいく費用で土地を購入しましょう。

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