恵比寿で始まる、賢い不動産仲介のスタイル

2023.02.05

不動産の購入

不動産売却で確定申告は必要?売却時の税金と必要書類を解説!

不動産売却で得たお金を計算し、売却益が出た場合には確定申告が必要で、確定申告しなければ無申告加算税や延滞税などのペナルティが科せられます。

本稿では不動産売却で確定申告が必要なケース、確定申告の必要書類、税金の計算方法、税金の控除について紹介します。これから不動産売却を検討している人は、不動産売却後の確定申告や税金について確認し、売却後の流れを把握しましょう。

不動産売却で確定申告が必要なケース

不動産売却が完了し、売却によりお金を取得した場合、いくつかのケースで確定申告が必要です。

確定申告が必要な3つの確定申告が必要なケースについて解説します。

売却益が出た場合

不動産を売却して得たお金で利益が出た場合、給与所得や事業所得と同様に所得として扱われるので、所得税や住民税を納税しなければなりません。

不動産売却時の売却益など、不動産や株式などの資産を売却して得た利益を総称して譲渡所得と呼びます。

混同しやすい所得に不動産所得があります。不動産所得は不動産が生み出した収入を指すもので、賃貸物件の賃料収入、借地の地代などが該当し、譲渡所得とは意味合いが違うものです。

不動産を売却して売却益=譲渡所得が発生した場合には確定申告の手続きをしましょう。

控除を利用した場合

「譲渡所得が発生したが、各種控除を利用して譲渡所得と相殺したらマイナスの数値になったので確定申告しませんでした」

一見して納得しそうな状況ですが、控除を利用するためには確定申告しなければなりません。確定申告の目的は所得の確定と税金の納税です。

この場合では所得の確定を申告すること、控除を利用したことを申告する必要があります。税務署としては控除条件を満たしているかの確認も取るので、確定申告が必要です。

売却損の場合は確定申告が不要だが…

譲渡所得の計算をした結果、控除しなくても売却損になることもあります。この場合には確定申告の必要はありません。

確定申告しなくても税務署から指摘を受けることはないので、気に留めなくても大丈夫です。

しかし、売却損が出た場合には確定申告することで所得税の還付を受けられます。
売却損を申告し、ほかの所得と相殺することで所得税を節税できるので、不動産を売却した際には確定申告しておけば損することはありません。

不動産売却における確定申告の必要書類

一般的な確定申告の書類とは別に、不動産売却後の確定申告ならではの必要な書類があります。

そもそも確定申告とはどういうものなのかを解説するとともに、不動産売却後の確定申告に必要な書類を紹介します。

確定申告とは?

給与所得の会社員の人にはあまり縁がない確定申告ですが、不動産売却以外でも一定額以上の臨時収入や、副業での収入、投資で得た所得があった場合には確定申告が必要です。

また、転職により1年以内に2社以上から給与を受け取っていた場合や、年収が2,000万円以上ある場合にも確定申告が必要になります。確定申告の目的は年間の所得額の申告、控除を適用するならばどの控除を利用して条件を満たしているのかを申告することです。

そして、所得に対する所得税を計算し、納税することが確定申告の目的です。1月1日から12月31日までの収支を翌年2月15日から3月15日の間に申告します。

住民票が置いてある住所地を管轄する税務署で申告しますが、手続き自体はインターネットを用いたパソコンやスマホからでも可能です。不動産を売却したのならば、売却した翌年に確定申告しましょう。

必要書類

不動産売却後の確定申告には以下の書類が必要です。

・確定申告書B様式(第一表)
・確定申告書第三表(分離課税用)
・譲渡所得の内訳書
・不動産購入時の売買契約書の写し
・不動産の購入時時諸経費が分かる領収書の写し
・不動産売却時の売買契約書の写し
・売却時諸経費が分かる領収書の写し
・登記事項証明書(登記簿謄本)の原本
・マイナンバーカード、マイナンバーの分かる住民票や通知カード
・本人確認書類(写真付身分証明書)
・源泉徴収票

確定申告書B様式と確定申告書第三表は確定申告時の共通したひな形で、税務署や役所などで入手できます。

譲渡所得の内訳書は計算をまとめたものを分かりやすいように紙面にまとめておきます。指定の用紙などは無いので、インターネット上で使いやすいものなどがあればそれを用いても構いません。

不動産購入時の売買契約書や諸経費が分かる領収書などは、売却益を計算するために必要な書類なので準備しましょう。もし、長らく確認していなければ、不動産売却前に所在を確認しておくことをおすすめします。

売却時の売買契約書や領収書も売却益を計算するために必要な書類です。登記事項証明書の原本は法務局で取得できます。

不動産売却時の税金計算方法

不動産売却後は確定申告が必要ですが、その際に譲渡所得税の税額を計算する必要があります。
計算は難しいものではありませんが、間違うと修正申告や追徴課税の対象になりかねないので、計算方法を確認しておきましょう。

課税譲渡所得を計算する

不動産を売却した際の売却益、課税の対象になる課税譲渡所得を計算するためには売却益からそれぞれの費用を差し引く必要があり、以下の計算式で求められます。

・課税譲渡所得=売買代金-(不動産取得費-減価償却費)-売却時諸経費

売買代金と売却時諸経費は売却時の資料を確認し、計算式に当てはめます。売却時諸経費には認められる範囲があり、具体的には以下の諸経費が認められます。

・仲介手数料
・印紙税
・土地を測量していれば測量費用
・建物を解体していれば解体費用
・賃貸物件で立ち退きが必要だった場合の立ち退き料

ここに計上できない費用には、抵当権抹消登記費用や相続登記費用、建物のリフォーム代金、固定資産税、税理士への報酬などがあります。売却のためだけに支払った費用は経費計上が可能で、それ以外は経費計上できません。

判断に悩む場合には不動産会社や税理士などの専門家に確認しましょう。

不動産取得費を計算する

不動産取得費は不動産を購入した際にかかった購入費や諸経費です。購入時の売買契約書があればそれを根拠に、注文住宅を建築したのならば、建物の建築請負代金も取得費として計算できます。そのほかに認められる諸経費も仲介手数料やリフォーム費用など、不動産売却時に認められるものよりも多種多様なので、念入りに確認しておく必要があります。

取得費を計算するうえでの注意事項は建物の減価償却費についてです。
不動産において土地は経年劣化で価値は変わりませんが、建物は経年劣化によって価値を減少させます。その価値を計算したものが減価償却費です。

取得費から減価償却費を減額して取得価格から計算した売却時点の不動産の価値を算出し、それを売却価格から差し引くことで、売却損益を計算するのです。

税率を掛けて税額を算出する

課税譲渡所得を計算したら、税率を掛けることで税額を求められます。

税率には2種類あり、不動産の保有期間が5年以下と5年を超える場合で変わります。

保有期間が5年以下の税率は短期譲渡所得と呼ばれ、税率は39.63%、内訳は所得税が30.63%(復興特別所得税含む)、住民税が9%です。

保有期間が5年以上の税率の場合は長期譲渡所得と呼ばれ、税率は15.315%、内訳は所得税が15.315%(復興特別所得税含む)、住民税が5%です。短期と長期で保有期間が違うだけで税率は倍額近く変わってしまいます。

取得費が分からない場合

相続した実家を売却するケースなどで、取得費が分からない場合もあります。

この場合、減価償却費などを計算する必要もなく、売却価格の5%を概算取得費として計算できます。

しかしながら、概算取得費の計算では課税譲渡所得額が大きくなりすぎるケースもあるので、注意しなければなりません。

分かりやすいように計算例を解説します。
売却価格2,750万円、取得費は3,200万円、減価償却費が800万円、諸経費が100万円で5年以上保有した家を売却したときの譲渡所得税を例として計算します。

・{2,750万円-(3,200万円-800万円)-100万円}×15.315%=382,875円

この計算を概算取得費で計算すると以下の課税譲渡所得となります。

・{2,750万円-(2750万円×5%)-100万円}×15.315%=3,847,894円(小数点以下は四捨五入)

納税額が10倍以上に膨れ上がりました。
概算取得費での計算は便利で簡単ですが、納税額が大幅に上がる可能性があります。可能な限り取得費を調査することをおすすめします。

なお、取得費として有効な書類は、当時の売買契約書や領収書、通帳の取引記録、住宅ローンの契約書、購入額が分かる抵当権設定額などです。

不動産売却で利用できる控除

不動産売却で得た売却益を確定申告する際に、控除を利用すれば譲渡所得税を節税でき、場合によっては納税額がゼロになることもあります。
どのような控除があるのか確認しましょう。

居住用財産の3,000万円特別控除

居住していたマイホームを売却することで譲渡所得から3,000万円の控除を受けられます。
前項の2,750万円で売却した計算例に当てはめると、以下のように計算できます。

・2,750万円-(3,200万円-800万円)-100万円-3,000万円(控除額)=-2,750万円

課税譲渡所得がマイナス以下の数字になった場合、納税額はゼロとして計算します。

住んでいた家の取得費が分からないことは考えづらいですが、この控除を利用すれば前項の計算例で、取得費が分からない場合でも納税額をゼロに抑えられます。

そして、以下の条件を満たすことで、3,000万円の特別控除が適用可能です。

・主に居住しているマイホームである
・既に転居している場合は、転居後3年目の年末までに売却していて、賃貸用途で利用していない
・建物を解体していれば、解体工事から1年以内で、土地を賃貸などに使用していない
・単身赴任などの場合は配偶者が住んでいる
・買主が親族や配偶者、同族会社など特別な関係ではない
・売却した年の前年、前々年にマイホーム売却に関わる控除を利用していない
・売却した不動産が収用等の特別控除など、特例の適用を受けていない
・災害などが理由で売却する場合は、住まなくなってから3年後の12月31日まで

マイホームの売却時には積極的に検討したい控除制度なので、条件を満たしているか確認し、該当するのならば制度を利用して節税につなげましょう。

相続した空き家の3,000万円特別控除

相続した空き家を売却する場合でも3,000万円の特別控除を利用できます。
控除を利用するための条件は以下になります。

・故人が相続前に一人暮らししていた不動産
・昭和56年5月31日以前に建築された一戸建てに限る
・相続から譲渡まで居住されず賃貸用途などで使用されていない

この制度は増え続けている空き家の増加を抑制する目的で定められているので、相続によって発生した空き家が対象となります。

特に空き家として周囲に危険を及ぼす、昭和56年5月31日以前に「着工」された旧耐震の建物が対象の制度です。

旧耐震の建物付きの不動産を売却する場合は、耐震改修工事を施して耐震基準を満たす必要があり、それが不可能ならば解体して更地にする必要があります。耐震基準を満たしている建物ならばそのまま引き渡しても特例の適用を受けられます。

譲渡損失の繰越控除

売却益があれば売却損もありますが、基本的に売却損の場合には確定申告の必要はありません。

しかしながら、必要な条件を満たしているマイホームの売却や買い替えならば、損失を確定申告することで損失分を所得税や住民税と相殺して控除して軽減できるのです。一度の控除で相殺しきれなかった場合でも、売却した年の翌年から最長3年間にわたり、損失を繰り越して税金を控除できます。

まとめ

不動産を売却して得た売却益を譲渡所得と呼び、所得税の対象になるので確定申告が必要です。

控除を利用して所得税が課税されない場合も同様に確定申告し、譲渡損失の場合でも確定申告することで所得税や住民税が控除される制度があります。

確定申告時に必要な書類は、税務署や役所などで入手できる書類のほかに、不動産を売却時の売買契約書や諸経費の領収書、そして購入時の売買契約書や領収書などが必要です。

もし、取得時の売買契約書などの資料がない場合は、譲渡所得に対する税金が増えるため、可能な限り書類を用意するように努めましょう。また、控除制度を利用することで節税も可能なので、条件や詳細が分からない場合には不動産会社や税理士などの専門家に相談しましょう。

CONTACT 住まいの無料相談

一番上に戻る

営業電は0!住宅購入のプロに相談しよう