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2022.07.26

土地の購入

土地の境界線確定方法とは?境界線が確定した土地を購入する重要性

土地を購入する際、必ず正確に確認しておきたい情報のひとつに「土地の境界」があります。

土地の正しい境界点・境界線の位置を確認するためには、地面に埋め込まれている「境界標」を探すか、売主が保有している確定測量図・筆界確認書を参照するのが確実です。ところが、境界標が見つからない・確定測量図がないケースも少なくありません。その場合は土地家屋調査士に依頼し、隣地の所有者も立会いのもと、境界確定測量と境界標の設置・確定測量図の作成を行う必要があります。

境界がはっきりしない土地を購入すると、隣地の所有者との間でトラブルに発展する以外にも、さまざまなリスクやデメリットを抱えることになります。土地の売買契約を締結する前に、境界線を明確にすることがどうして重要なのか、境界が確定した状態で土地を購入するにはどうすべきかを知っておきましょう。

1.土地境界についての基本知識

そもそも「土地の境界」とはどのようなもので、「土地の境界が明確な状態」はどのような状態のことを指すのでしょうか。

1)土地境界は「所有権の範囲を明確にしたもの」

「土地境界」とは、どこからどこまでが所有者の土地なのかを明確に示すものです。

不動産取引の際に発行される不動産売買契約書や土地売買契約書において、「売主は不動産(土地)の引き渡しまでに、買主に対して土地の境界を明示しなければならない」と定めるのが一般的です。これは、売主が思い込んでいる土地の範囲ではなく、確固とした証拠のある「排他的な土地」である必要があります。

2)排他的な土地とは

「排他的な土地」とは、明確な根拠をもって隣地との境界が定められた土地のこと。具体的には、後に解説する「境界標」と呼ばれる土地の境目を示す目印に囲まれており、「どこからどこまでが取引対象=所有権の範囲か」を、根拠をもって示せる状態の土地のことを指します。

土地を購入する際は、全体の広さや同時に購入する建物の間取りなどに注意が向きがちです。しかしながら、いざ家を建てたり塀を作ったりする際に「所有権の範囲はどこまでか」をハッキリと示せるかどうかが重要になるため、土地の購入の段階で確認しておくことが大切です。

3)境界線の明示を受けるまでは契約を拒否できる

上記で解説したとおり、不動産の売買契約書ではほとんどの場合で「不動産の引き渡しまでに、売主は買主に対して土地の境界線を明示しなくてはならない」と定めます。
この境界の明示義務は、代金の支払いと同時履行の関係にあります。つまり、境界確認書と引き換えに売買代金を支払うことになるため、境界確認書の受け渡しが行われない場合は、売買代金の支払い=契約の履行を拒否できるのです。

本来土地の境界の明示義務については、不動産会社主導のもと、現況や資料の確認作業が行われるものですが、場合によっては省略されたり見落とされてしまうことも考えられます。
「代金支払いの際に境界の明示を受ける」ということを知らずに契約を進めてしまうと、引き渡しのときになっても境界線が不明瞭なままである可能性もあるのです。
「土地の境界線は売買代金の支払い時に明示してもらう」ということを、知識として頭に入れておきましょう。

2.境界が確定していない土地を購入するデメリット

実際の不動産売買の現場では、土地の境界線を示す証拠がない場合でも取引可能です。しかしながら、境界線が確定していない状態で土地を購入・引き渡しを受けることには多くのデメリットがあるということを認識しておく必要があります。

境界が確定していない状態で土地を購入するデメリットは、大きく分けて3つあります。

1)近隣とのトラブル
2)住宅ローンを借りられない
3)売却金額が下がる

1つずつ解説していきます。

1)近隣とのトラブル

戸建住宅を購入したり、住宅を建てるために土地を購入する際に特に注意しなければいけないのが、隣接する土地の所有者とのトラブルです。

例えば宅地を購入するケースで、隣にも家が建っている場合を考えてみましょう。

購入を検討している土地と、隣の家の庭との間にコンクリートの塀が建っていた場合、多くの人が「コンクリート塀の内側が取引対象の土地」とぼんやりと認識するのではないでしょうか。

しかし、コンクリート塀には厚みがあります。塀の外側(空き地側)が土地の境界線かもしれませんし、コンクリート塀の真ん中や、内側(=実は取引対象の土地にはみ出している)かもしれません。こうした「塀がある土地はどちらの土地で、塀を撤去する権利はどちらにあるのか」といった議論は、土地の所有範囲に関して特によく起こるトラブルです。そしてこうしたトラブルが起きる原因は、土地購入時に「どこまでが取引対象の土地か」を確認していなかったことにあります。

土地の境界線を明確に示す証拠があり、購入時に確認していれば、「どこまでの範囲であれば自分の権利の中で造作できる」と判断できるのです。

2)住宅ローンを借りられない

不動産の購入時に多くの人が住宅ローンを利用しますが、万が一契約者(債務者)の支払い能力がなくなってしまったときのために、金融機関は不動産を担保にして融資を行います。
このときほとんどの金融機関は、土地を担保に取る場合に、境界線が確定していることを条件にしています。その理由は、土地の境界線が曖昧なままだと、正確な土地の価値を算出できないため、そして万が一土地を競売にかける際に、隣地の所有者との間にトラブルが発生する可能性があるためです。

境界未確定の土地を担保にする場合は、境界確定測量の実施が求められます。住宅ローン利用を検討している場合は、境界線が明確になっていることを確認してから住宅ローンの審査申し込みをするようにしましょう。

3)売却金額が下がる

境界未確定の土地は、境界が確定している土地と比較して、売却金額が下がる傾向にあります。その理由は、境界が確定していないことで隣地とのトラブルが発生する可能性があることや、住宅ローンを組めないというマイナスの側面が目につくためです。

「境界未確定の土地で売却金額が下がるのであれば、自分で確定測量をしてもらえばいいのでは?」と考える人もいるかもしれません。ところが確定測量は専門家に依頼する必要があることから、かかる費用は決して安くなく、50~100万円程度が相場と言われています。

確定測量をしないまま売りに出したとしても、購入希望者から「境界を確定させてくれ」と頼まれた場合は、売買契約を締結するためにもその要望に応じなければならないこともあります。

つまり、境界が未確定な土地を購入すると、土地の売却金額が下がるだけでなく、確定測量のための費用も発生し、大きく損をしてしまう可能性が高くなるのです。

3.土地の境界線を確定させる方法

土地の境界線を確定させるには、以下のような段階を踏みます。

・境界標を探す
・測量図を確認する
・確定測量を行い確定測量図を作製してもらう

順番に解説していきます。

・境界標を探す

土地の境界線を確定するうえで最初にすべきなのは、境界標の有無の確認です。

「境界標」とは、隣地の所有者と合意したうえで、お互いの排他的な土地の範囲を示すために設置された指標のことを言います。コンクリートで作られた杭や、金属プレート・金属鋲が、地面に埋め込まれる形で設置されます。

境界標は「土地家屋調査士」などの専門家だけが設置を許されているものです。土地の所有者・隣地所有者と土地家屋調査士の立会いのもと、境界点・境界線を確認したうえで設置します。設置から何十年も経っていると、境界標は土や草に埋もれて見えなくなってしまっていることも少なくありません。そのような場合は地面を掘り起こして、境界標の存在を確認することになります。

・測量図を確認する

境界標が設置されていない・見つからない場合は、測量図を用いて境界線の状況を確認します。

測量図には「確定測量図」「現況測量図」「地積測量図」の3種類があり、最も法的効力が強いのが「確定測量図」です。

確定測量図は、対象の土地の所有者と、隣接するすべての土地の所有者との間で、境界点と境界線について合意して作製される図面です。一般的には確定測量図に加えて、隣接する土地の所有者同士が、境界点と境界線について確認・合意したことを証明する「筆界確認書」という書類もあわせて発行されます。筆界確認書は土地所有者と隣地所有者それぞれが、記名押印したものを保有することになっています。境界標が見当たらない場合は、売主に確定測量図と筆界確認書を保有しているかを確認してみましょう。

売主が確定測量図を保有していない場合は、法務局にある「地積測量図」を調べるという方法もあります。地積測量図は、土地の地積変更・地積更正登記・分筆登記といった申請の際に、提出を求められる測量図です。法務局に保管されているため、法的効力が強そうなイメージを抱くかもしれません。しかしながら、1993年より前に発行された地積測量図は、現在の基準よりも低い精度で作製されているので注意が必要です。1977年9月3日以前に発行されたものは更に精度が低いため、再度確定測量を行ったほうがいい可能性もあります。

もう1つ「現況測量図」と呼ばれる測量図もあります。これは土地の所有者が「ここからここまでが自分の土地」と自ら決め、その範囲内で測量を行って作製した図面です。つまり、あくまでも「売主が主張する境界線」でしかないため、効力や正確性という観点では弱いと言えます。

・確定測量を行い確定測量図を作製してもらう

境界標がなく、正確な測量図もない場合は、土地家屋調査士による確定測量を行い、測量図の作製と、境界標の設置を行うことをおすすめします。

すでに解説したとおり、境界標がない土地・正確な測量図が存在しない土地は売買してはいけないというわけではありません。しかしながら、境界線が明確に示されていない土地を購入すると、後から多くの労力と時間を消費することになってしまうため、購入する前に売主側で境界線を確定してもらったほうがいいでしょう。

4.土地の境界線が確定した状態で購入する方法

これまでの解説で、土地は境界が確定した状態で購入したほうが、後のリスクや費用・労力の負担が少なくなるということをおわかりいただけたのではないでしょうか。

しかしながら、売りに出されている土地が、境界が確定しているものかどうかを売主自身で確認することは困難です。不動産を購入する場合、多くの人が不動産会社に依頼して土地探しをします。不動産会社を上手に利用することで、最小限の手間と労力で境界が確定した土地を購入することが可能になります。

・不動産会社にあらかじめ条件として伝えておく

土地を探す際には、不動産会社に対してどのような条件の土地を探しているかという情報を伝えますが、その際に「境界標がある」あるいは「確定測量図がある」ということを付け加えておく方法があります。
あらかじめ条件に加えておくことで、「立地や価格は申し分ないが、境界が明確ではないので見送る」といった時間のロスを防ぐことが可能です。

しかしその一方で、条件に加えることで紹介してもらえる土地の総数が減ってしまうというデメリットもあります。場合によっては売主自身が、境界標や確定測量図の存在を把握していないケースも少なくなく、そうした土地に出会えるチャンスがなくなってしまう可能性も否定できません。

・不動産会社を通じて境界線確認の依頼をする

境界標や確定測量図の有無でしぼらずに、その他の条件から優先して土地探しを行った場合は、契約締結までの間に不動産会社に依頼して、隣地との境界線の確認をしてもらうようにしましょう。

売買の仲介を行う不動産会社は、取引される不動産に関連する資料を集めるだけでなく、実際に現地に足を運んで土地の状況を確認したりもします。売主とやり取りをしてもらいながら、境界標や確定測量図はあるかなどを調査してもらいましょう。

・不動産会社を通じて確定測量、境界標の設置を依頼する

不動産会社の調査により、境界標が未確定の土地ということが判明した場合は、売主に対して確定測量と境界標の設置を依頼しましょう。
確定測量と境界標の設置費用は、原則として土地の所有者が負担します。売買の場合は高額な費用を売主が負担することになるため、確定測量の実施に対して前向きな姿勢を示す売主は多くありません。

しかしその一方で、境界が未確定のままでは売れ残ってしまう可能性が高く、不動産を所有しているだけで発生する固定資産税などの税金を、払い続けなくてはいけないというリスクがあるのも事実のため、「売れるのであれば」と確定測量の実施に同意してもらえる場合もあります。

境界未確定のまま購入してしまうと、購入後の確定測量にかかる費用を買主が負担しなくてはいけなくなるため、可能な限り売主側で実施してもらえるように交渉しましょう。

まとめ

土地の境界線は、隣地同士の長年の付き合いから、「この植え込みからこっちが私の土地、そっちがあなたの土地ね」と当時者同士の決めごとで成り立っていることも少なくありません。しかしそうした土地を購入する場合でも、明確な根拠や証拠をもって境界を示せる状態にしておかないと、思いもよらないトラブルに巻き込まれたり、予定外の大きな出費が発生してしまったりする可能性もあるのです。

土地は一度に取引される金額が大きく、一度トラブルに発展すると解決が難しい・膨大な費用がかかります。土地の境界線をめぐったトラブルに発展しない、スムーズな不動産取引を行いたい場合は、土地売買を専門にする不動産会社に相談することをおすすめします。

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