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2023.01.17

不動産の購入

家の名義変更のやり方は?準備や注意点を徹底解説

家は「人生で1番高い買い物」や「一生で1度の買い物」と言われています。

夢のマイホームを手に入れることができ、終の棲家とするつもりでいても、人生は何が起こるかわかりません。離婚や生前贈与などで、家の名義変更が必要になることもあります。

この記事では、家の名義変更について以下のポイントを解説していきます。

・そもそも家の名義変更とは何か
・かかる時間や費用、準備すべきもの
・流れや注意点
・専門家への依頼について

家の名義変更について理解して、万が一の際に慌てないようにしましょう。

目次 非表示

家の名義変更って何?

はじめに「そもそも家の名義変更とは何か」を解説します。

家の名義変更とは、法務局に所有権移転登記を申請して、家の名義を変更することです。

以下について、詳しく見ていきましょう。

・なぜ家の名義変更をしなければならないのか
・家の名義変更をしなければならないケース
・家の名義変更をしないとどうなるのか

なぜ家の名義変更をしなければならないのか

家の名義変更が必要な理由は、家の所有者を明確にするためです。

近年は所有者がわからない、もしくは使われていない土地や家が増えています。
2021年4月には、所有者の明確化や不動産の有効活用を目的とする、以下の法律が成立しました。

・「民法等の一部を改正する法律」
・「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」

また2024年4月1日からは「相続登記」が義務化されます。

相続登記とは、不動産を相続した際に行う所有権移転登記のことです。所有権移転登記によって、不動産の名義が変更されます。相続登記は、所有権を得たことを知った日から3年以内に申請しなければなりません。

家の名義変更により「誰が所有しているのか」を明確にする必要があるのです。

家の名義変更をしなければならないケース

家の名義変更をするケース

家の名義変更をしなければならないケースは、以下の4つです。

・遺産相続
・生前贈与
・離婚による財産分与
・不動産売買

それぞれ詳しく見ていきましょう。

遺産相続

親や祖父母が亡くなり、家を遺産として相続する場合、名義変更が必要です。相続人が「相続登記」を行うことで、名義変更ができます。

相続人が複数いる場合は、紛争防止のために「遺産分割協議書」を作成します。

遺産分割協議書には、相続人全員の署名捺印が必要です。さらに遺産分割協議書の写しを、相続人全員が1部ずつ所持しておかなければなりません。

遺産分割協議書を変更する場合は、相続人全員の合意が必要です。

生前贈与

生前贈与をする場合も、家の名義変更が必要になります。

生前贈与とは、親が生きているうちに子供へ財産を贈与することです。贈与によって家の所有者が親から子供に変わるため、所有権移転登記によって名義変更をしなければなりません。相続人が複数いる場合、生前贈与によってトラブルが発生する可能性があるため、慎重に行いましょう。

離婚による財産分与

離婚した場合、家の名義変更が必要になる可能性があります。家も財産分与の対象となるためです。

夫もしくは妻の単独名義であったとしても、夫婦で協力して建てた家であれば共有財産と見なされ、財産分与の対象になります。

離婚による財産分与には、以下の選択肢があります。

・家を売却して得た代金を折半する
・夫婦いずれかの名義にして家を残し、いずれかが現金を受け取る

いずれかの名義にして家を残す場合に、所有権移転登記による名義変更が必要になるのです。

不動産売買

家を売買する場合も、名義変更が必要です。

筆者は2021年9月に中古アパートを購入した経験があるため、経験談も交えて解説します。

不動産売買では、不動産業者に売買契約書を作成してもらい、司法書士に所有権移転登記を代行してもらいましょう。すべての手続きが完了し、融資を受ける金融機関と契約を交わしたら、家の名義変更が完了します。

所有権移転登記は自分でも手続きできますが、とても面倒なので登記のプロである司法書士へ依頼しましょう。

家の名義変更をしないとどうなる?

家の名義変更をしないと、以下のデメリットがあります。

・最大10万円の過料が科される可能性がある
・不動産売買に影響する

2024年4月1日から、相続に伴う不動産の名義変更が義務化されます。

不動産の相続を知った日から3年以内に申請しないと、最大10万円の過料が科される可能性があるため、注意が必要です。

また不動産売買にも影響します。筆者が所有するアパートは、先代の所有者が登記関係を疎かにしていたため、購入にかなり時間がかかりました。

家の名義変更にかかる時間や費用、準備すべきものは?

家の名義変更は相続や贈与、離婚、売買の際に必要となることがわかりました。

では実際に家の名義変更が必要になったとき、どのくらいの時間や費用がかかり、何を準備しなければならないのでしょうか。

それぞれ詳しく解説していきます。

家の名義変更にかかる時間

家の名義変更の申請から完了までは、一般的に2週間〜1ヶ月程度かかります。書類に不備があると、さらに日数を要する場合もあるので注意しましょう。

筆者がアパートを購入した際の名義変更は、大幅に遅れて4ヶ月ほど要しました。理由は、土地にしか登記がされておらず、建物が未登記状態であったためです。先に建物の登記を行わなければなりませんでした。建物が登記されていれば、1ヶ月程度で名義変更は完了していたでしょう。

家の名義変更にかかる費用

家の名義変更にかかる主な費用は、以下のとおりです。

・登録免許税
・不動産取得税
・相続税
・司法書士への報酬
・必要書類(住民票・印鑑証明書など)の発行料

登録免許税は、名義変更の理由によって金額が変わります。

相続による名義変更の場合は「不動産評価額の0.4%」の金額です。財産分与・生前贈与・不動産売買の場合は「不動産評価額の2%」の金額になります。

司法書士への報酬額の相場は、5万円〜10万円ほどです。そのほかの費用については、司法書士に見積もりを依頼しましょう。

家の名義変更で準備すべきもの

家の名義変更を行う際に準備すべきものは、以下のとおりです。

・住民票
・印鑑証明書
・固定資産評価証明書
・登記原因証明書
・登記識別情報
・戸籍謄本(財産分与もしくは相続の場合のみ)
・遺産分割協議書(相続の場合のみ)

事前に準備を済ませておくと、スムーズに家の名義変更ができます。

家の名義変更は誰に依頼したら良い?

家の名義変更は、自分で手続きすることもできます。しかし、自分で名義変更を行うのはあまりにも労力がかかり大変です。

家の名義変更は、登記のプロである司法書士に依頼しましょう。

司法書士

司法書士は登記のプロです。

家の名義変更は、司法書士事務所へ依頼すれば対応してくれます。また不動産売買の場合、不動産業者と取引のある司法書士に依頼できるケースもあるため、確認しましょう。

あらかじめ不動産の登記情報を準備しておくと、見積もりも出してくれます。

自分で手続きすることもできる

登記関係に精通している場合は、司法書士に頼らず自分で家の名義変更を行うのも良いでしょう。

自分で手続きする場合、名義変更する家を管轄している法務局へ行き、所有権移転登記を申請します。開庁日に窓口へ行けない人は、郵送やオンライン申請を利用してください。

自分で家の名義変更を行う場合、司法書士へ支払う報酬が要らないというメリットがあります。しかし関係書類の作成や戸籍謄本の解読など、本来司法書士が行う作業をすべて自分で行わなければならないというデメリットもあります。

かなりの手間と労力を要するため、自分で家の名義変更を行うのはおすすめしません。

家の名義変更の流れ

家の名義変更の流れは、以下4つのパターンで異なります。

・遺産相続
・生前贈与
・離婚による財産分与
・売買

それぞれの流れを詳しく見ていきましょう。

遺産相続

遺産相続による家の名義変更の流れは、以下のとおりです。

1.家の登記情報を確認する

家の登記情報とは、住所や名義人などの情報のことです。
法務局にて登記事項証明書を取得し、確認します。

2.故人の書類を集める

故人の戸籍謄本などを集め、相続人が誰なのかを確認します。

3.相続人全員で遺産分割協議書を作成する

遺言書があれば、遺産分割協議書を作成する必要はありません。
遺言書の内容に従って相続人や遺産の分割方法が決まるためです。

4.登記に必要な書類を集める

 

5.登記申請書を作成する

登記申請書は、法務局のホームページからダウンロードできます。

6.登記申請を行う

登記申請書と必要書類を法務局に提出し、所有権移転登記を申請します。
所有権移転登記により、家の名義が変更されるのです。

生前贈与

生前贈与による家の名義変更は、以下の流れで進めます。

1.不動産の登記情報を確認する
2.贈与契約書を作成する
3.登記に必要な書類を集める
4.登記申請書を作成する
5.登記申請を行う

遺産相続における名義変更と同じような流れですが、作成する書類が異なります。

生前贈与で作成する「贈与契約書」とは、贈与を証明する書類のことです。
贈与する人と贈与される人の合意により作成されます。

離婚による財産分与

離婚による財産分与で家の名義変更を行う場合、以下の流れとなります。

1.財産の分け方や名義について決める
2.不動産の登記情報を確認する
3.離婚協議書を作成する
4.登記に必要な書類を集める
5.登記申請書を作成する
6.登記申請を行う

離婚協議書とは、離婚する際の条件などが書かれている書類のことです。
夫と妻が条件に合意したうえで作成されます。

離婚による財産分与の場合、財産の分け方や名義について揉めるケースがあるため、よく話し合わなければなりません。

売買

不動産売買による家の名義変更の流れは、以下のとおりです。

1.売買契約書を作成する
2.登記に必要な書類を集める
3.登記申請書を作成する
4.登記申請を行う

売買の場合は、基本的に不動産業者や司法書士が代わりに諸手続きをしてくれます。

家の名義変更を専門家に依頼するケース

家の名義変更を専門家に依頼したほうが良いケースや、専門家に依頼しなければならないケースは、以下のとおりです。

・複雑な相続が発生した場合
・名義変更を早く終わらせたい場合
・銀行でローンを組む場合

1つずつ詳しく解説していきます。

複雑な相続が発生した場合

複雑な相続が発生した場合、家の名義変更は専門家に依頼しましょう。
具体的には、以下のようなケースです。

・相続人が海外に住んでいる
・相続人が多すぎる
・ほかの相続とタイミングが重なった

相続が複雑になると、名義変更の流れや必要書類が通常の相続と異なる可能性があります。専門家に依頼することで、正しい手続きができるだけでなく、適切なアドバイスを受けられます。

登記のプロである司法書士は、名義変更の手続きにおいて心強い存在です。しかし相続人同士のトラブルには対応できません。

ほかの相続人と交渉してもらうなど、トラブルの解決が必要な場合は、弁護士に依頼しましょう。

名義変更を早く終わらせたい場合

家の名義変更を早く終わらせたい場合は、専門家に依頼したほうが良いです。

専門家に依頼することで、手続きや必要書類について自分で調べる必要がなくなるため、名義変更をスムーズに進められます。また専門家による正しい手続きによって、書類の不備による二度手間を防ぐことも可能です。

所有権移転登記による名義変更は、司法書士に依頼しましょう。

銀行でローンを組む場合

ローンを組んで家を購入する場合は、専門家である司法書士に名義変更をお願いしなければなりません。ローンを融資する銀行側が、専門家による名義変更を融資の条件としているためです。

ローンを組む場合、所有権の登記だけでなく「抵当権を設定するための登記」も必要になります。

抵当権は、債務者がローンを返済できなくなってしまうリスクに備えるための、銀行側の権利です。そのため、専門家による正しい手続きが求められます。

家の名義変更で注意しなければならないこと

家の名義変更は、以下の点に注意しましょう。

・親から子への名義変更は贈与税がかかる
・相続による名義変更は手続きが面倒
・不動産売買による名義変更は固定資産税を納付しなければならない

それぞれ解説していきます。

親から子への名義変更は贈与税がかかる

所有権移転登記によって、家の名義を親から子供に変更する場合、贈与税がかかります。贈与税は相続税よりも高くなるケースが多いため、大きな負担となるでしょう。

贈与税額の計算式は、以下のとおりです。

【 ( 贈与額 – 基礎控除額 ) × 税率 – 控除額 = 贈与税額 】

親から1,000万円の贈与を受けた場合、贈与税額は以下のように計算します。

贈与額1,000万円 – 基礎控除額110万円 = 890万円
890万円 × 税率30% – 控除額90万円 = 贈与税額177万円

なお上記の計算は、贈与を受けた子供が18歳以上であることを想定しています。

相続による名義変更は手続きが面倒

相続による家の名義変更は、手続きが面倒だということを頭に入れておきましょう。必要書類が多く、相続人同士のトラブルが発生する可能性もあります。

相続に関することは、基本的に相続人全員の合意がなければ進められません。そのため相続人が多いほど相当な手間と労力がかかります。

不動産売買による名義変更は固定資産税を納付しなければならない

不動産売買の場合、家の名義変更が完了した日から固定資産税の支払い義務が発生します。

固定資産税の支払い義務があるのは「不動産を所有している人」です。所有権移転登記によって家の名義変更が完了すると、所有者は自分になります。そのため、固定資産税を支払わなければなりません。

年の途中で家を購入した場合、初回の固定資産税は満額ではなく、日割り計算された額を支払います。初回の固定資産税は、家の購入にかかる諸経費とあわせて、住宅ローンの融資額から支払うのが一般的です。

家の名義変更|まとめ

家の名義変更について、この記事で解説した内容を以下にまとめます。

・家の名義変更の目的は、家の所有者を明確にすること
・家の名義変更をしなければならないのは、遺産相続・生前贈与・離婚による財産分与・不動産売買のとき
・2024年4月1日から、相続に伴う不動産の名義変更が義務化される
・家の名義変更は司法書士に依頼すること
・生前贈与による家の名義変更は贈与税が発生するため、注意が必要

家の名義変更が必要になるタイミングは、人生の節目であることが多いです。生前贈与や不動産売買など、ある程度の下準備ができるものもあります。

家の名義変更をスムーズに進めるためには、当事者同士で協力することも大切です。

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