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2023.03.26

不動産の購入

ゼロエミ住宅建築のススメ!時代の要請に合った建物を建てよう!

現代社会が目標と掲げている項目に、脱炭素や低炭素、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量「実質ゼロ」を目指すカーボンニュートラルがあります。

2020年に発表された「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」という宣言もありました。

それを受けて住宅業界でも活発な動きと取り組みがあります。

そのひとつに挙げられるのが「ゼロエミ住宅」です。

本記事では以下の内容を解説します。

●ゼロエミ住宅とは
●ゼロエミ住宅建築のメリット
●ZEH(ゼロエネルギーハウス)との違い
●東京ゼロエミ住宅促進事業

持続可能な開発目標のSDGsを目指す場合に社会、地球にも優しい家づくりは必要不可欠です。

これから住宅建築を検討している人にとっても優しい家づくりに役立つヒントを紹介します。

ゼロエミ住宅とは?

ゼロエミとはゼロエミッションの略語で廃棄物のエミッション(排出)をゼロにするという考え方です。

具体的にはある産業から出た廃棄物を別の産業で再利用することですが、ゼロエミ住宅ではどのような考え方をするのでしょうか。

ゼロエミ住宅とはどのような目的があるのか解説します。

総合的な環境負荷の削減を目的としている

ゼロエミ住宅とは、施工方法を工夫したうえで住宅に関するエネルギーの消費を抑え、エネルギーを創出して環境負荷を削減することを目標にしています。

環境負荷とは人が生活するうえで環境へ与える負の影響のことです。

具体的には温室効果ガスの排出や、さまざまな廃棄物が負の影響だと考えられています。

ゼロエミ住宅には明確な定義などはありませんが、以下の例で挙げられるような最新の創エネ技術、省エネ技術、環境技術を活用し、環境負荷を削減します。

新エネルギー技術 太陽光発電システム
家庭用燃料電池(エネファーム)
風力発電など
省エネルギー技術 有機EL照明
ヒートポンプ給湯(エコキュート)
計画換気の採用
環境技術 環境配慮材の仕様
軽量鉄骨構造など

最新のものばかりでなく既存の優れた断熱材の利用や、断熱性能が高い玄関ドアや窓などを活用し、環境負荷の低減を目標にしています。

温室効果ガスの排出量を減らす効果がある

住居をゼロエミ住宅にすることで温室効果ガスの排出を減らす効果があります。

代表的な温室効果ガスは以下の6種類です。

・二酸化炭素
・メタン
・亜酸化窒素
・ハイドロフルオロカーボン類
・パーフルオロカーボン類
・六フッ化硫黄

そのなかでも地球温暖化への影響が大きいのは二酸化炭素です。

住宅のゼロエミッション化はそんな温室効果ガスを削減するために有効な政策だと判断されています。断熱性能に優れた住宅で、省エネや創エネに取り組むことでエネルギーの使用量を削減できるのです。

その結果、電気使用量を減らし、昨今の気候変動により発生している電力供給のひっ迫に対しても有効な対処法と言われています。

ゼロエミ住宅を建築するメリットとは

ゼロエミ住宅は環境に配慮されて温室効果ガスを減らし、時代の要請に合っているものですが、個々人に対してはどのような恩恵があるのでしょうか。

高断熱で省エネを意識したゼロエミ住宅のメリットについて解説します。

高断熱の快適な生活

ゼロエミ住宅の構造では断熱性能が重視されているため、夏は涼しく冬は暖かいというメリットがあります。

高性能な断熱材や断熱性能の高い窓や玄関ドアを利用することで、外気の影響を受けづらい室内環境を形成できることが理由です。

なんとなく良い商品を使っているのではなく、建物全体の熱損失を計算する外皮計算で一定の水準を満たす必要があるため、高断熱の根拠も明確です。

ゼロエミ住宅は高断熱の効果により体にも優しい住宅です。

洗面所や浴室と室内の温度差が原因で発生するヒートショックにより、年間で亡くなっている人は1万5,000人とも1万9,000人とも言われています。これは年間の交通事故や熱中症での死者を大きく上回る数字です。

ゼロエミ住宅は外気の影響を受けづらいので、室内の温度差も少なくできるため、ヒートショック対策としても有効なことがメリットです。

高断熱・高遮熱ガラスは太陽光のダメージも少ない

ゼロエミ住宅は高断熱・高遮熱の窓を使用しますが、この窓は断熱性を高め、太陽光の影響を抑えるため、室内のカーテンや家具、壁紙の劣化や日焼け対策にもなります。

この窓に使用されるガラスは「Low-eガラス」と呼ばれ、緑や青など少しだけ色がついていることが特徴です。このガラスはコーティングされていて、太陽の熱や部屋を暖房で暖めた熱を吸収・反射します。その効果として、夏の暑さをやわらげる、冬の暖房効果を高めるなど快適性につながっているのです。

また、サングラスのように高性能なカット率ではありませんが、紫外線をカットする効果もあります。直射日光が当たる部分の床や家具、家電などは変色や傷みが発生しづらいメリットもあります。室内の温度に影響を与えないということは冬の結露も発生しづらいということです。

多少の温度差はあることと、人がいることで湿度が発生するので結露がゼロにはなりませんが、何も対策していない窓に比べて大きな差があるでしょう。

水道光熱費の削減

断熱性能が高ければ空調効率も上がるので、光熱費を抑えられます。

ゼロエミ住宅では高効率給湯器を設置する必要がありますが、これも光熱費削減につながっています。ゼロエミ住宅において、太陽光発電システムや蓄電池の設置は必須ではありませんが推奨されています。これらを設置すれば電気代を引き下げられるので、光熱費削減に直結するでしょう。

照明器具にはLEDを使用し、廊下や玄関などでは人感センサー付ライトを設置するので、これらも節電につながります。

細かい部分ですが、節水・節湯効果があるシャワーヘッドもゼロエミ住宅には導入する必要があるので、水道使用量も抑えられるでしょう。

その他にもお湯が冷めづらい浴槽や、節水型のトイレなど細かく設備機器に対して工夫されているので水道光熱費を削減できます。

ゼロエミ住宅は高性能なので一般的な建物と比べて建築費が高額になりますが、そのぶん、快適で光熱費を節約できる住宅だと言えます。

ZEH(ゼロエネルギーハウス)との違いとは

数年ほど前から住宅業界ではZEH(ゼロエネルギーハウス)という住宅に注目が集まっています。

ゼロエミ住宅と似た雰囲気ですが、ZEHとはどのような住宅なのでしょうか。

ZEHはエネルギー収支をゼロ以下にする家

ZEH(ゼロエネルギーハウス)とは、太陽光発電による電気の創出、省エネルギー設備の導入、高断熱仕様の建物によって、消費するエネルギーよりも生み出すエネルギーが上回る住宅です。

基本的な方向性はゼロエミ住宅と似ていますが、エネルギーゼロを目標にしている部分が異なります。

省エネや高断熱以外の特徴として、ZEHではHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を採用していることです。HEMSとは家のエネルギー使用量を見える化する機器です。電気やガスの使用量だけではなく、水道にもセンサーを取り付けて水道使用量も把握して、消費エネルギー量を算出します。そして、太陽光発電システムや燃料電池のエネファームも用いた発電エネルギー量も把握します。

これらが見えることによって節電意識も向上して、効果をもたらすと言われています。今後はAI分析によってエアコンの温度調整や冷蔵庫の温度調整なども自動で最適化される研究・開発が進められているので、より大きな節電効果が期待できるでしょう。

以上の技術を用いて消費エネルギーより創出エネルギーを大きくすることを目指すのがZEH(ゼロエネルギーハウス)です。

令和5年度の戸建ZEH補助金

ZEHには経済産業省と環境省による補助金制度があり、令和5年度は最大で100万円の補助金を受けられます。戸建住宅のZEH化に対して1戸あたり55万円、ZEH以上の省エネ、設備の再エネ自家消費率拡大を目指したZEH+に対しては1戸あたり100万円です。

ZEHとZEH+にはエネルギーの消費量および削減量の違いに加え、以下の2つ以上の条件を満たす必要があります。

・外皮性能のさらなる強化
・高度エネルギーマネジメント
・電気自動車(プラグインハイブリッド車含む)を活用した自家消費の拡大措置のための充電設備または充放電設備

建物の断熱性能強化、高性能なHEMSの採用、電気自動車やプラグインハイブリッド車の利用と充電設備の設置、などが具体例になります。

一般公募から審査期間を経て、建物完成後に報告書を提出する流れで補助金が交付されます。

東京ゼロエミ住宅促進事業とは

ゼロエミ住宅はこれから普及する住宅なため、現在、積極的に促進しているのは全国でも東京都だけです。

東京都ではゼロエミ住宅促進のために「東京ゼロエミ住宅促進事業」に取り組み、都内のゼロエミ住宅建築に対して助成金を交付しています。

3種類の水準で異なる助成金額

東京ゼロエミ住宅での助成金は建物の水準によって3種類の金額が設定されています。

水準1では30万円、水準2では50万円、水準3では210万円と、助成金額としてはとても大きな金額です。

太陽光発電システムや蓄電池の設置はゼロエミ住宅において義務ではありませんが推奨されていることもあり、設置した場合はゼロエミ住宅と併用して助成を受けられます。令和4年度の申請受付は令和5年3月31日までですが、令和5年度も東京ゼロエミ住宅の予算枠が組まれているので、引き続き助成金の利用が可能です。

助成金の要件

東京ゼロエミ住宅の助成金を利用するためには建物の条件である水準1以上の建物を建築しなければなりません。

具体的な条件は以下の内容です。

全水準共通仕様

・開口部(窓・ドア)には一定の断熱性能を有したものを使用する
・全室LED照明で玄関、トイレ、洗面、廊下、階段の照明には人感センサーを取り付ける
・省エネラベル4★または5★以上の高効率エアコンをリビングや居室に設置
・ヒートポンプ型給湯器や潜熱回収型給湯器などの高効率給湯器を使用する
・太陽光発電システムは可能な限り設置する

そして水準ごとに定められた外皮計算の熱貫流率と国が定める省エネルギー基準からの削減率をクリアすることで各水準に達していると認められます。

水準ごとのイメージを分かりやすく説明すると、水準1は木造住宅の仕様規定どおり、水準2はZEHと同様の断熱性能、水準3は寒冷地の北海道相当の断熱性能です。

一般的に建物は一般地域と寒冷地域で仕様規定が分けられていて、寒冷地のなかでも北海道は最上級の断熱性能が必要です。東京ゼロエミ住宅の水準3では一般地域に分類されている東京都で、北海道並みの高い断熱性能の家を建築する必要があります。

東京ゼロエミ住宅の助成金を受けるための流れと注意点

東京ゼロエミ住宅の助成金を受けるためには申請が3回と審査が2回必要です。

建築と合わせて以下の流れで申請を進めます。

1.ハウスメーカーの決定
2.設計図面作成
3.設計図面完成後、事前申請とゼロエミ住宅審査
4.申請が受理され審査に合格したら確認申請提出
5.確認済証取得後、交付申請
6.交付申請が受理されたら着工
7.建物完成、完了検査
8.検査済証取得後、ゼロエミ住宅完了検査
9.ゼロエミ住宅検査済取得後に実施報告兼請求書を提出、申請
10.助成金の交付

注意点としては、申請が受理されなければ確認申請や着工して工事を進められないことです。

事前申請や確認申請の日付、着工の日付などの詳細についてチェックされているので、フライングしないように注意しましょう。そして、通常の建築工事と比べて申請・審査の期間があるために、着工までの期間が長くなることが注意点です。

注文住宅では土地の引き渡しを受けてから工事を進めるため、その期間の土地に対する費用や管理の負担が発生します。住宅ローンやつなぎ融資を受けていれば、その期間の支払いが余分に発生するので、資金計画に入れておきましょう。

また、東京ゼロエミ住宅は国が推進している事業の助成金・補助金と併用できるものがありますが、ZEHに対する補助金は対象外です。建築費用に対する補助金額でどちらが有利なのか判断して、申請を進めましょう。

まとめ

ゼロエミ住宅は総合的な環境負荷の削減を目的としたもので、具体的には温室効果ガスの二酸化炭素排出削減を目指した住宅です。

断熱性能の高い仕様を取り入れたうえで、省エネルギーに注力しているので、健康に優しい過ごしやすい住まいであると同時に、水道光熱費を抑えられるメリットがあります。

特に東京都では東京ゼロエミ住宅促進事業に取り組んでいて、ゼロエミ住宅の建築に対して助成金が交付されます。

環境にも人にも優しい省エネルギー住宅の建築に興味がある人は、「クール・ネット東京」などでゼロエミ住宅の詳細を確認してみましょう。

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