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2022.07.29

不動産の購入

不動産取得税の計算方法とは?課税対象と控除を利用した節税方法を知ろう

「不動産取得税」は、その名のとおり「不動産を取得した際に課される税金」です。

「不動産の取得」と聞くと、新築でマイホームを建てたり、中古マンションを購入したりといったことをイメージする人が多いと思います。しかしその他にも、両親からの贈与や相続、すでにある建物の増改築も「不動産の取得」に該当し、どのような条件の不動産にどれほどの税金がかかるのかわかりにくい、計算しにくいというのが実情です。

そこで本記事では、不動産取得税の計算方法に焦点を当て、以下の項目に沿って解説していきます。

1.不動産取得税の基本的な計算式
2.不動産価格(固定資産税評価額)とは
3.不動産取得税の負担を軽くする軽減措置
4.不動産取得税の税率
5.不動産取得税の対象
6.軽減措置を受ける方法

不動産を取得した時期や不動産の状態によっても、不動産取得税を計算する際に用いる税率や適用される軽減措置が異なります。軽減措置を受けるためには不動産取得時に申告をする必要があるため、建物や土地を購入する前に、不動産取得税の概要を把握しておきましょう。

1.不動産取得税の基本的な計算式

不動産取得税の金額を計算するための基本的な計算式は、以下のとおりです。

不動産取得税額=不動産価格(固定資産税評価額)×税率

取得する不動産の種類や状態によっては特例が適用され、税率が下がる場合があります。建物と土地では適用される特例(控除)がそれぞれ異なるため、建物と土地を分けて計算し、最後に両方の不動産取得税を合算して算出します。

ここからは不動産取得税を算出するために必要な「不動産価格」に関する考え方と、建物と土地の不動産取得税の具体的な計算方法・特例が適用される条件について解説します。

2.不動産価格(固定資産税評価額)とは

不動産取得税を算出するために必要な「不動産価格」は、不動産を購入したときの金額ではなく、「固定資産税評価額」のことを指します。

固定資産税評価額は、固定資産税の税額を計算するために用いられるもの。「固定資産評価基準」という基準に基づいて、不動産が存在する地域の各自治体が個別に決定しています。

立地や面積、形状や接道状況によっても変動しますが、実際の不動産の販売額に対して70%程度が目安とされています。

3.不動産取得税の負担を軽くする軽減措置

不動産は金額が大きく、かかる税金も相当な負担になります。そのため、取得する建物の使用用途や面積、築年数に応じて、固定資産税評価額から控除できる金額をいくつも定めています。

(1)建物の不動産取得税計算方法

建物部分の不動産取得税額を求める計算式は、下記のとおりです。

建物の不動産取得税額=(建物の固定資産税評価額-控除)×不動産取得税率

適用される控除金額は、建物の状態・築年数によって異なります。

(2)建物の不動産取得税軽減措置適用要件

下記は建物の固定資産税評価額に対する、軽減措置を受けるための要件と控除金額をまとめた表です。

建物の状態控除金額条件
新築物件固定資産税評価額
-1,200万円
・住宅全般
(マイホーム、セカンドハウス、賃貸用マンションなど)
・床面積50㎡以上240㎡以下
(戸建以外の賃貸住宅は40㎡以上240㎡以下)
中古物件
(新耐震基準適合)
固定資産税評価額
-1,000万~1,200万円
・個人が自身の住居用として取得した住宅
(賃貸用マンションは適用外)
・床面積50㎡以上240㎡以下
・1982年1月1日以降に建築された建物。または取得前2年以内の耐震診断により、新耐震基準適合が証明された物件
中古物件
(新耐震基準不適合)
固定資産税評価額
-30,000~126,000円
・個人が自身の住居用として取得した住宅
(賃貸用マンションは適用外)
・床面積50㎡以上240㎡以下
・取得後6ヶ月以内の耐震改修工事、耐震診断による新耐震基準適合認定、取得者の居住のすべてが完了する

床面積については、実際の床面積を判定するため、登記上の床面積と誤差が生じる場合があります。
特にマンションやアパートの場合は、占有部分(所有している一室)に加えて、共有部分(エントランスや階段)も計算対象になります。その場合共有部分の面積は、所有者がそのフロアにある占有部分の面積のうち何%を所有しているか(面積按分)にて計算される、ということを覚えておきましょう。

また、中古住宅における控除金額は、新築からどれだけ経過しているかによって変動します。

新築された日控除額
1997年4月1日以降1,200万円
1989年4月1日~1997年3月31日1,000万円
1985年7月1日~1989年3月31日450万円
1981年7月1日~1985年6月30日420万円
1976年1月1日~1981年6月30日350万円
1973年1月1日~1975年12月31日230万円
1964年1月1日~1972年12月31日150万円
1954年7月1日~1963年12月31日100万円

上記の表は東京都の場合で、築年数に応じた控除金額は各都道府県によって異なるという点に注意が必要です。

(3)土地の不動産取得税計算方法

土地の不動産取得税を算出する際に使用する計算式は下記のとおりです。

土地の不動産取得税額=土地の固定資産税評価額×不動産取得税率-軽減額

建物の場合は「固定資産税評価額から控除を引いた金額に、不動産取得税率をかける」ことで算出しましたが、土地の場合は「軽減額を最後に引く」という点に注意が必要です。

なお、2024年3月31日までに取得した土地に関しては、住宅が建っている土地の固定資産評価額に対しても軽減措置が適用され、以下のようにして求められます。

土地の不動産取得税額=(土地の固定資産税評価額×1/2)×不動産取得税率-軽減額

 

(4)土地の不動産取得税軽減措置適用要件

土地の不動産取得税に対して軽減措置が適用されるのは、土地に住宅が建っており、なおかつ下記の条件に当てはまっている必要があります。

【新築住宅の用の土地の取得の場合】

(同時取得を含む)

土地を先に
取得した場合
土地を取得後3年以内に、当該土地上に住宅が新築されていること。
ただし、次の(1)(2)のいずれかに該当する場合に限る。
(1)土地の取得者が、住宅の新築迄その土地を引き続き所有していること
(2)土地の取得者からその土地を取得した方(譲渡の相手方)が、住宅を新築したこと
新築住宅を先に
取得した場合
(1)住宅を新築した方が、新築後1年以内にその敷地を取得していること
(2)新築未使用の住宅とその敷地を、新築後1年以内(同時取得を含む)に同じ方が取得していること

 
(参照元:東京都主税局『Q14 住宅用の土地を取得したときに不動産取得税の軽減制度はありますか。』(1)新築住宅用の土地の取得 https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shitsumon/tozei/index_f.html#q14

なお、上記の適用を受けるのは、土地に建てられる新築住宅が「1.不動産取得税の計算式と計算方法」で解説した、建物が固定資産税評価額に対する軽減措置の対象であることが条件です。

【中古住宅用の土地の取得】

土地を先に取得した場合
(同時を含む)
土地を取得した方が、当該土地を取得した日から1年以内(同時取得を含む。)にその土地上の中古住宅を取得していること
中古住宅を先に取得した場合中古住宅を取得した方が、当該住宅を取得後1年以内にその敷地を取得していること

 
(参照元:東京都主税局『Q14 住宅用の土地を取得したときに不動産取得税の軽減制度はありますか。』(2)中古住宅用の土地の取得 https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shitsumon/tozei/index_f.html#q14

中古住宅用の土地の場合も、その土地上に建てられている中古住宅が、建物の固定資産税評価額に対する軽減措置の対象である必要があります。

土地の固定資産税評価額に対する軽減措置は、下記のうちどちらかが適用されます。

・45,000円
・(土地1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2)×(住宅の課税床面積の2倍*)×3%

*上限200㎡

なお上記の軽減措置は、2024年3月31日までに不動産を取得した場合のみ適用されるという点を覚えておきましょう。

4.不動産取得税の税率

まとめ

不動産取得税の税率は、建物と土地共に4%です。ただし、2024年3月31日までに取得した不動産に関しては軽減措置が適用されるため、不動産取得税の税率は3%で計算されます。

取得日土地家屋(住宅)家屋(非住宅)
2024年3月31日まで3%3%4%

(参照元:国税庁『不動産取得税』「2 不動産取得税の計算方法」https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/fudosan.html

土地はすべての土地が上記の軽減税率の対象ですが、家屋に関しては住宅用であることが条件であるという点を押さえておきましょう。

5.不動産取得税の対象

不動産取得税は、その名前のとおり「不動産を取得した際に発生する」税金です。
では、「不動産の取得」とは具体的にどのようなことを指し、どのような場合に不動産取得税が発生しないのかを見ていきましょう。

(1)不動産取得税の課税対象

不動産取得税の課税対象となるのは、下記の形で不動産を取得した場合です。

・不動産の購入(競売も含む)
・建物の建築・増改築
・等価交換
・贈与

不動産取得税は、不動産を購入したり増改築したりして代金を支払った有償の場合以外にも、等価交換や贈与といった無償での取得の場合にも課税されます。毎年支払わなくてはならない固定資産税とは異なり、不動産取得時の一度の納付で済みます。

(2)不動産取得税が発生しないケース

一方で、下記の2つのケースでは不動産取得税は発生しません。

・相続

原則として、相続により不動産を取得した場合には、不動産取得税は課税されません。その理由は、売買や贈与等とは異なり、「形式的な所有権の移動」とみなされるためです。

ただし、相続時または相続に関連した不動産の取得の場合でも、下記のようなケースでは「贈与」とみなされ、不動産取得税がかかります。

死因贈与財産(不動産)の所有者が生前のうちに、財産を渡す相手を契約により決めておくこと。死因贈与は相続には含まれないため、不動産取得税が発生します。
特定遺贈遺言書によって「誰にどの財産を残すか」を具体的に指定しておくこと。法定相続人以外の人が、不動産を相続する場合に不動産取得税がかかります。
相続時
精算課税制度
原則60歳以上の両親や祖父母から、20歳以上の子や孫に財産の贈与をする際に利用する制度。
相続時精算課税制度を利用すると、同一の贈与者から限度額2,500万円までの贈与を、贈与税なしに受け取ることが可能です。この制度を利用して不動産の贈与を受けると、相続ではなく贈与として扱われるため、不動産取得税の課税対象になります。

 

・免税点

不動産取得税は、課税標準となるべき金額が下記の金額未満の場合には課税されません。

土地10万円
住宅新築・増築・改築23万円
その他(売買など)12万円

ただし、次のうちいずれかの場合においては、それぞれの前後の土地または住宅の取得とあわせて、1つの土地の取得または一戸の住宅の取得とみなします。

・土地を取得した方がその土地を取得した日から1年以内にその土地に隣接する土地を取得した場合
・家屋を取得した方がその家屋を取得した日から1年以内にその家屋と一構となるべき家屋を取得した場合

(引用元:東京主税局 不動産取得税『4 不動産取得税の免税点について』https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/fudosan.html

(3)不動産取得税はマンションやアパートも対象

ここまでの説明では、新築住宅・中古住宅・土地に対する軽減措置について触れてきましたが、戸建や土地だけでなく、マンションやアパートについても軽減措置の対象になります。
新築マンションの場合は「新築住宅の軽減措置」と、登記簿上に記載されている土地に対して「土地の軽減措置」が適用されます。中古アパートの場合は「中古住宅の軽減措置」と「土地の軽減措置」が適用されるというわけです。

ただし、のちに解説しますが、不動産取得税が課せられるのは、あくまでもマンションやアパートの所有権を取得したときのみ。賃貸で借りているマンションやアパートは対象外になる点を、あわせて押さえておきましょう。

6.軽減措置を受ける方法

不動産取得税の軽減措置は、不動産を取得した人が自ら申告しなくては受けることができません。
申告には期限が定められているため、余裕を持って対応するようにしましょう。

(1)申告先と申告期間

不動産取得税の申告は、原則として不動産を取得した日から60日以内に、不動産の所在地を管轄する都道府県税事務所に申告する必要があります。

ただし、自治体によっては申告期間がさらに短い場合もあり、東京都では30日以内、大阪府では20日以内となっています。不動産取得直後は引っ越しなどであわただしくなることも少なくないため、事前に管轄の自治体のホームページなどで確認しておくようにしましょう。

(2)納付方法

不動産を取得すると、数ヶ月後に納税通知書が送られてきます。
不動産取得時に軽減措置の申告を行っていれば、軽減措置適用後の税額が記載されています。

しかし申告する前に届いた納税通知書には、軽減措置適用前の税額が記載されているため注意が必要。そのまま納付してしまうと払い過ぎになってしまうため、この場合も都道府県税事務所に申し出るようにしましょう。

(3)申告漏れにより不動産取得税を払いすぎてしまったら?

不動産取得税の軽減申請は、本来であれば不動産を取得した際に行うものですが、申請時に特例の対象ということを知らなかったり、申請が漏れてしまったりすることもあります。
そのような場合は、管轄の都道府県税事務所の窓口に「還付請求」を行います。

この還付請求ができるのは、還付請求できるようになる日(建物が建った日など)から5年以内と法律で定められています。そのため、不動産取得税の払い過ぎに気が付いたら、できるだけ早く還付請求を行うようにしましょう。

(4)不動産所得税は確定申告不要

「税金が発生する=確定申告しなくてはいけないの?」と思う人もいますが、不動産取得税は「都道府県税」のため、確定申告の必要はありません。

ただし、納付した不動産取得税に限って言うと、取得した不動産が事業用の場合は経費として認められるため、確定申告の際に租税公課に含めることが可能です。

まとめ

不動産を取得したり所有したりすることで課せられる税金は種類が多く、計算方法も煩雑になりがちです。計算するのが手間だからといって申告せずにいると、本来受けられるはずの軽減措置を受けられず、何十万円・何百万円と損をしてしまう可能性も少なくありません。

不動産に関する税金の計算や申告について、自分で調べてもわからないと思ったときは、不動産を専門にした税理士などの専門家の力を借りることをおすすめします。不動産売買を得意とする不動産会社の中にも、建物や土地を購入することで受けられる控除などに詳しい業者もあります。それらを上手に活用しながら、堅実に節税対策をするようにしましょう。

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